

人生100年時代、健康のカギはおなかにもあった!代謝機能をサポートする成分って

人生100年時代、歳をとっても元気でいたいもの。「健康寿命(※1)」という言葉がありますが、その実現のためには、内臓脂肪の蓄積を抑える、糖の代謝を正常に保つ...といった代謝機能の維持が大切になります。「若いから関係ない」と思いがちですが、いまから気をつけておいた方がいいこともあるのだとか。
そこで今回、グリコ健康科学研究所の博士である西嶋智彦さんに、「健康長寿」のために知っておきたい、「腸内細菌」と「内臓脂肪の蓄積」や「代謝機能の調節」の関係について教えてもらいました。
(※1)一般的に、歳をとっても健康上に問題がなく、日常生活を送れることを意味しています。
若いから無関係...ではいられない「生活習慣病」。おなかからできることは?

「腸内細菌と『内臓脂肪の蓄積』や『代謝機能の調節』の関係が、いろいろと明らかになってきています。私たちの研究でも、『腸内細菌のバランス』がよい状態になると、内臓脂肪の蓄積が抑えられ、糖の代謝機能が改善することを確認しています。普段の生活のなかで食べ過ぎないように気をつけたり、運動不足といった生活習慣を改善することはもちろん大切ですが、『腸内細菌のバランス』をよい状態に保つという意識も『健康長寿』には重要だと思います」(西嶋さん)
『腸内細菌』がお通じや免疫と関わることは知られていますが、私たちの内臓脂肪の蓄積などにも影響しているんですね。
「『腸内細菌』は腸内でさまざまな物質を作り出し、私たちの体に影響を及ぼしています。その中でも、内臓脂肪や代謝機能に作用する成分として『短鎖脂肪酸』が注目されています」(西嶋さん)
知ってる?エネルギー消費に影響する『短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)』の働き

「短鎖脂肪酸」という成分について、もう少し詳しく教えてください。
「短鎖脂肪酸は『酢酸』や『酪酸』などを代表とする酸の一種です。ビフィズス菌などの一部の腸内細菌が、腸内で食物繊維を発酵するなどして作り出しています。この短鎖脂肪酸が近年、『内臓脂肪の蓄積』や『糖の代謝調節』に関わる、身体のエネルギー消費に大きく影響することがわかってきています。それ以外にも、悪玉菌を抑える殺菌・静菌効果や元気な腸粘膜を維持して、腸のバリア機能を高める作用があることも知られています」(西嶋さん)
●「短鎖脂肪酸」の働きの例
・内臓脂肪の蓄積を抑える
・糖の代謝機能を正常に保つ
・その他にも、悪玉菌の増殖を抑える、腸のバリア機能を高めるなどの働きがある
「短鎖脂肪酸」を増やすには?

いろいろな働きが期待される、「短鎖脂肪酸」、増やす方法はあるのでしょうか?
「腸内の短鎖脂肪酸を増やすためにはオリゴ糖や食物繊維を豊富に含む食品やそれらを発酵させる力のあるビフィズス菌などを積極的に摂って、腸内をビフィズス菌が多い状態にすることがおすすめです」(西嶋さん)
とはいえ、ビフィズス菌が多ければいい、という訳ではなく、「おなかのなかにさまざまな腸内細菌がいて、バランスがとれているのが一番よい状態」なのだとか。
腸内環境の乱れにご注意を!
健康をたすける働きが期待される「短鎖脂肪酸」。ですが、一般的に、歳をとると「ビフィズス菌」などの短鎖脂肪酸を作る菌は減少します。それにともない「短鎖脂肪酸」も減ってしまうのだとか。
また、若い人でも腸内環境の乱れにより「短鎖脂肪酸」が減ってしまうこともあるそうです。
「腸内細菌のバランスは、加齢だけでなく、食生活の乱れやストレスなどの影響を受けて変化してしまうものです。若い人でも、将来を考えておなかの健康を意識することが大切になると思います」(西嶋さん)
おなかの健康のためには、記事で紹介した「ビフィズス菌や食物繊維をとる」といった食生活での対策のほか、適度な運動や睡眠といった生活習慣での見直しも必要になります。将来の元気のために、いまから少しずつ意識してみてくださいね。
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]


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