ランナーは脂質代謝を高めて、マラソンの失速を防ぐ!

脂肪をエネルギー源にして走れるカラダをつくろう

⼤会はまだあまり開催されない状況ですが、来たるべきシーズンに向けてトレーニングを続けている市⺠ランナーも多いことでしょう。いまの時期、脚づくりや心肺機能の強化など、自身の課題と向き合うのもよいタイミングです。走力アップのために、脂肪をエネルギーにする能力を高める方法について、ご自身も2時間29分9秒のマラソンベストタイムをもつ筑波大学教授(運動生理学)、鍋倉賢治先⽣にお聞きしました。

鍋倉賢治先生

マラソン後半の失速を防ぐためには 大きく3つのポイントがあります。

01

脂質代謝が高いランナーは、マラソンでは有利

02

脂質代謝を高めるには、糖質を減らしてから走る

03

サプリメントも活用して、脂肪燃焼を高める

トップでも市民ランナーでも、ベストを目指すなら脂肪燃焼

marathon runners

ランニングのためのエネルギーは、大きく分けて糖質(グリコーゲン)と脂肪の2つだということが知られています。糖質は燃焼しやすく利用されやすいエネルギー源ですが、身体に蓄えられる量は限られています。一方で脂肪は燃焼し始めるのに時間がかかりますが、高エネルギーで、身体に蓄えられる量に限りがありません。そのため体脂肪として蓄積され肥満の原因にもなります。

一般に、ハーフマラソンより短い距離を走るときには、あまりエネルギーの枯渇を心配することはありません。しかしフルマラソンの距離、42.195kmを走るためには、体重60kgの人なら2500kcalのエネルギーが必要ですが、身体に蓄えることのできる糖質は2000kcalほど。カーボローディングでより多くの糖質を身体に蓄えて、マラソンへの準備をする人もいますが、いずれにしても足りない分は脂肪を燃料にしないと、マラソンを走り切ることができません。それに、ウォーキングやゆっくりのジョギングなど低強度の運動では脂肪が多く燃焼されるものの、速く走る時は糖質が優先的に消費されますので、マラソンの後半ではどうしてもエネルギー切れに陥ってしまうのです。

通常マラソン時には、糖質と脂質がエネルギー源として「糖質6、脂肪4」の割合で使われます。糖質の割合が7割を超えるとオーバーペース、後半失速します。これはトップランナーでも市民ランナーでも、自己ベストを狙うような走りをするときは同じです。

どうすれば、脂肪がより燃焼されるか

先日のびわ湖毎日マラソンで、鈴木健吾選手(富士通)が2時間4分56秒の日本最高記録を達成しました。このとき、鈴木選手は後半スピードをアップするような「ネガティブスプリット」で走っていますが、これは、効率の良いエネルギー源である糖質を後半まで温存できたからだと思います。脂肪をより燃焼できること、つまり脂質代謝の高い身体になれば、マラソンを走る際に有利なわけです。何より、体脂肪をより燃焼でき、ダイエットにもいいということになります。

ではどうすれば脂質代謝を高くできるのでしょうか。脂肪は糖質に比べ、燃焼しにくく燃え出すのに時間がかかります。強度の低い運動では脂肪がエネルギーとして使われますが、マラソンなどの強度ではまず糖質が使われます。

そこで、体内の糖質が少ない状態で走ることで脂肪燃焼を促進できると考えられますから、これを実践します。早朝ランは脂肪燃焼効果が高いと言われているのですが、これは前日の夕食から時間が経過して、血糖が低下しているから。研究室で行った実験では、①早朝、②昼食を抜いての夕方、③通常の夕方、の3パターンでのトレーニングで比較したところ、①②の糖質が減少した状態で走った時、脂質代謝が高まることが分かりました。

時短、効果的な脂肪燃焼トレーニング

man running

また、練習内容を⼯夫することで、脂質代謝を⾼めることもできます。

おすすめ:「スピード走」+「そのあとのジョギング」練習

スピード走(ガチ・高強度)

例① 2~5分の全力走

 

例② 2km全力走

  

 

 

ジョギング(ユル・低強度)

30分程度のジョグ

 

10kmジョギング

「最初にがんばり、あとはゆっくり」という内容で、「ガチユル⾛」と呼んでいます。

<ガチ>

例①にある2~5分の全力走は1km程度ということになりますが、1km連続するのが難しいなら500m×2回でも、スクワット2分でもOK。私は故障気味だったので、⾃転⾞で代⽤しました。要は、エネルギー源として100%糖質を使うような全力運動をするということです。ランニングのペースならば、フルマラソンの1kmあたりのペースより1分程度速く。サブ4の⼈なら1km4分半程度が⽬安です。

<ユル>

ゆっくりペースで、距離は⻑くても10km、1時間程度。この時、脂肪の燃焼⽐率が⾼まっているわけです。

私自身、この練習を週2回くらい取り入れることで、20km以上のロング走をすることなく、4年ぶりのマラソン(2019年つくばマラソン)を3時間34分で走ることができました。

継続のためには、サプリメントの利用も効果的

ガチユル走のようなトレーニングで、脂質代謝は高まりますが、トレーニングの効果として身体に定着させるには継続して行うことが必要です。半年くらいは続けてください。

脂肪の燃焼を高める方法として、レース前に脂肪を摂取する「ファットローディング」を行う人もいます。ただマラソン直前に脂肪を上手に多く摂ることはなかなか難しいようです。 一方で、脂肪燃焼効果のあるサプリメントを摂ることも有効だと思います。脂質代謝への作用を示す結果が報告されているという成分、ヒドロキシクエン酸(HCA)が含まれているものなどですね。

脂肪燃焼に効果のあるトレーニングとしてご紹介した早朝ランや昼食抜き練は、朝が苦手な人や、サラリーマンの人には難しいかもしれませんが、有効成分の入ったサプリメントを摂取することで同様の効果が期待できます。またマラソン前、できるだけ炭水化物を摂りたいと思っているタイミングで、ファットローディングにはちょっと抵抗ある人にもいいでしょう。

新型コロナのために2020年は全国でマラソン大会の開催が中止になりました。私が運営に関わっているつくばマラソンも昨年は開催できず、今年も未定ですが、秋くらいにはまたマラソン大会が開催できる環境が戻るといいですね。私もその時に向けて脂質代謝を高め、マラソン後半にバテない身体づくりを続けていきたいと思っています。

鍋倉 賢治(なべくら よしはる)

1963年生まれ、筑波大学体育系教授。専門は運動生理学。ランニング学会常務理事、つくばマラソン大会実行委員長。マラソンベスト記録は2時間29分9秒。つくばマラソンを走る授業を長年にわたり開講。

「ランナーと脂肪燃焼」のアンケート結果から

2021年3月、RUNNETで実施した「脂肪燃焼」に関するアンケートに、3,253名のランナーから回答をいただきました。一部をご紹介します。

Q 体脂肪がランニング時のエネルギー源となることを知っていましたか?

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糖質だけでなく脂質もまたランニング時のエネルギー源となることは、多くのランナーがご存知のようです。特にサブ3ランナーでは8割以上という高い数字が出ました。

Q 大会やレース前に体脂肪をどのように調整されていますか?(自由回答)

大会やレース前の調整としては、体重コントロールのほかに体脂肪に関しても「2%落とす」「18~20%ぐらいに」「15%に」と数字をあげる人も多く、なかには「11.0%代に」「10%以下に」という方も。また、身体を絞るという回答が多数を占める中、「短い距離のレースでは絞り、ハーフ以上のときは同じか少しだけ多めに体脂肪を調整」と、走る距離とエネルギー効率を意識した回答もありました。

レース直前ではなく日頃の意識としては、体脂肪を「減らす・増やす」というより、いかに脂肪をエネルギーとして使っていくか、そうできる体質に近づけるか、という観点で、皆さんいろいろと試されていることが伺えました。

「朝食前に走ることで、体脂肪を使える身体になるよう努力」

「脂肪が燃焼しやすいように、ある程度の距離までは炭水化物を摂らない」

「空腹時に走って脂肪を燃焼させやすい体質を作る」

「脂肪燃焼を促すサプリの摂取とランニング中の心拍の管理」

「質の悪い脂を摂取しないようにする」

「体脂肪をエネルギーにかえる飲み物やサプリを摂取する」

「筋トレで刺激を入れてからラン」

「脂肪燃焼効率の良いロングジョグ・LSDを行なっている」

練習以外に食事からのアプローチでは、体重管理や消化吸収の点でランナーには難しい部分があり、サプリメントを利用する声も複数あがっていました。

栄養素豆知識

ガルシニアに含まれる
HCA(ヒドロキシクエン酸)とは

ガルシニアは、東南アジアを中心に自生するオトギリソウ科の一種で、オレンジのような大きさをしています。柑橘類に似た強い酸味が特徴的です。皮や実を乾燥させてカレーの酸味付けや魚の塩蔵保存、スパイスとして使用されることもあります。

このガルシニアの皮から抽出される主要有用成分がHCA(ヒドロキシクエン酸)です。主に柑橘類に含まれているクエン酸の構造と非常に似ています。体内で重要な働きをする酵素に作用することがわかっています。

HCA(ヒドロキシクエン酸)は、糖質をエネルギーに変えるときに必要なATPクエン酸リアーゼの働きを阻害します。糖質からのエネルギー供給経路の調節につながり、脂肪由来のエネルギー産生をしやすくする働きがあります。

hca illustration
power production logo

運動中の脂肪の燃焼を高める!

エキストラ バーナー

脂肪を燃焼するには、運動のエネルギー源として脂質を使うことが重要です。トレーニングによって脂肪燃焼したい方におすすめです。

ガルシニアに含まれるHCA(ヒドロキシクエン酸)を含むガルシニアエキスパウダーの他、アルギニンや長胡椒の一種であるヒハツ抽出物、カフェインを配合しました。スポーツ選手に必要な7種のビタミンを加えました。

power production product image

内容量:180粒

<機能性表示食品>

届出表示:本品にはヒドロキシクエン酸(HCA)が含まれています。 ヒドロキシクエン酸(HCA)には運動中の脂肪の燃焼を高める機能が報告されています。

● 本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたもの ではありません。

● 本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

● 食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

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