農研機構フェローの田中敬一先生と
青森県りんご対策協議会の方に聞きました。

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  1年通して楽しめるのもりんごのおいしいところ。生ものなので、できるだけ早く召し上がっていただくのが前提ですが、できるだけ美味しく食べるためのポイントをご紹介します。
  1.磨かずに。りんごの果皮には実の水分蒸発を防ぐ役割をする天然物質が付いています。ふき取ってしまうと水分の蒸発が早まりますので、食べる直前までは磨かないほうが鮮度を保てます。
  2.冷やして。りんごなどの果物に多く含まれるフルクトース（果糖）の結晶の型は、低温で甘みが増すという性質を持っているため、冷やして食べると甘みを強く感じるそうです。また、りんごは温度変化に弱い果物。購入したら冷蔵庫に入れて食べるタイミングで出してあげてください。

  （コラム協力：一般社団法人青森県りんご対策協議会）

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  「1日1個のりんごで医者いらず」は、少なくとも12～13世紀には成立しており、1866年の印刷物にも登場するなど、りんごの健康効果は長い生活の知恵に裏付けられています。
  医科学的にも証明されました。りんごを毎日1個半食べてもらったところ循環器疾患の原因である血中の中性脂肪が減少しました。この結果は、古い常識を覆したことから医師たちを大変驚かせました。ヒトを対象とした疫学調査や臨床研究のエビデンスから、「毎日くだもの200グラム」を提唱しました。2005年、厚生労働省と農林水産省が健康を維持し生活習慣病を予防するために作成した「食事バランスガイド」で、栄養学史上初めて、公式に果物の摂取目標200グラムが決定されました。
  どんなに健康的であっても、地球環境を破壊しては、元も子もありません。りんごは、「持続可能な地球環境の創出」にも寄与しています。
  りんごはヒトにも地球にも優しい健康的な食材なのです。

  （コラム協力：つくば生命科学研究所長　田中敬一氏）

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  青森県では「スターカット」という食べ方をＰＲしています。「スターカット」とは、りんごを横にして皮ごと輪切りにするカット法。真ん中の芯の部分が星☆の形に見えることから「スターカット」と呼ばれています。その利点は３つ。
  １.皮や皮の近くに豊富な栄養を無駄なく取れる。２.食べられる部分が増える。青森県りんご対策協議会の調査では、皮をむいてくし形にした時と比べ、廃棄部分は1/8になりました。３.スライスする厚さを調整することで、お口の小さなお子様や噛む力が弱くなっているご年配の方にも食べやすくなります。
  縦を横にするという目から鱗の発想の「スターカット」。是非お試しくださいね。

  （コラム協力：一般社団法人青森県りんご対策協議会）
  青森りんごやりんごに関する詳細情報はこちら

田中 敬一（たなかけいいち）

■プロフィール
【現職】
つくば生命科学研究所長
（国立研究開発法人）農研機構フェロー
「くだもの＆健康ニュース」編集長

【経歴】
　群馬県生まれ。弘前大学大学院農学研究科修士卒業後、農林省入省、農林水産省果樹試験場育種部加工適性研究室長、（独）農業技術研究機構果樹研究所生理機能部品質化学研究室長等を経て、2015年4月より現職。農学博士（名古屋大学）。「毎日くだもの200グラム」を最初に提唱。
　文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、文部科学省科研費審査委員、園芸学雑誌編集員、園芸学会シンポジウム委員等を歴任。
　科学技術庁長官賞（科学技術の発展に寄与する研究に与えられる賞）、園芸学会賞、（公益）松島財団園芸振興奨励賞受賞（産・官・学界から受賞）。