青い「牧場しぼり」のパッケージには「ミルク」と書いてありますが、そもそもミルク味のアイスとは何かご存知ですか?
見た目もよく似ていて、「バニラ味のアイスと一緒じゃないの?」なんて声も聞こえてきそうですが、ミルク味のアイスとバニラ味のアイスは異なるものなのです。
その違いを知るために、まずアイスの歴史をご説明しましょう。
紀元前ギリシャ・ローマ時代、地中海からインドに至る広大な帝国を築いたアレクサンドロス大王は、山から運んできた氷雪に果汁とはちみつを加えたドリンクを好んだと伝わっており、これが最も古いアイスのレシピと言われています。
その後、古代中国では水牛の乳、小麦粉、氷を混ぜたものを、殷の時代の王が食べていたとの記録があり、この製法を冒険家のマルコ・ポーロがヨーロッパへと持ち帰りました。
現在のアイスに最も近いものは、17世紀末にパリで誕生した「グラス・ア・シャンティ」でしょう。ホイップクリームを凍らせたもので、18世紀にはアメリカへも持ち込まれ、1850年代には大量生産が叶って多くの人々に親しまれるようになりました。
当時のアイスは、牛乳と卵、砂糖などを混ぜ合わせて凍らせたもの。ただ、現代ほどの技術がないため、この頃の牛乳や卵にはどこか獣臭さがありました。それを消すために使用されたのがバニラビーンズの香りだったのです。
バニラビーンズは、バニラの種子が詰まったさやごと発酵・乾燥などさせたもので、甘く華やかなフレーバーが楽しめるため、いつしか定番の味わいに。現在ではバニラエッセンスやバニラオイル(成分を抽出して溶剤に溶かしたもの)を用いる場合も多くあります。
バニラ味のアイスはバニラの華やかな香りが楽しめるアイスである一方、ミルク味のアイスは、ミルクの風味をより楽しめる味わいになっています。技術の進歩により獣臭さは抑えられ、牛乳が本来持つコクや風味をシンプルに味わえるフレーバーです。
「牧場しぼり」は、搾って3日以内の国産「生乳」を使用していますので、後口のスッキリしたやさしいミルクの味わいが楽しめます。
アイス発祥のフレーバーともいえるバニラ味のアイス、牛乳の魅力を閉じ込めたミルク味のアイス。どちらもさまざまな種類が楽しめるため、食べ比べて好みのお味を見つけてみてくださいね。