日本古来のおなかマッサージでお通じ改善!セルフ按腹体操のやり方
おなかの調子が悪いときなど、手のひらでやさしくマッサージをすると、痛みがやわらぐ気がしますよね。実はマッサージは、おなかの調子を整えるのにとても効果的。中でも、日本古来のおなかマッサージである「按腹(あんぷく)」は、江戸時代から親しまれている伝統的な手法なんです。
今回は、鍼灸按摩マッサージ指圧師の志字良太先生に、自分でできる「セルフ按腹体操」について、お話をお伺いしました!
日本生まれの手技療法「按腹(あんぷく)」って何?
按腹とは、手を使って体の調子を整える「按摩(あんま)」のひとつで、おなかを中心に行うマッサージのこと。
「按腹療法は、おなかにあるツボを刺激することで胃腸の調子を整えることを目的としたマッサージ方法です。江戸時代から、健康になるためには、食べ物からしっかりと栄養をとることがとても重要だと考えられてきました。当時の医学書にも、『胃腸の調子を整えて栄養の吸収をよくし、不要なものをきちんと排出できるようにするには、按腹療法が最も効果的だ』と書かれていたんですよ」(志字先生)
志字先生によれば、おなかには胃腸に関係するツボがたくさんあるのだそうです。なんと、その数は約50個。
「按(押さえる)摩(なでる)をおなかにほどこすことで、気(目に見えないエネルギー)と血(血液)の流れをよくするのが、按腹療法の目的です。
お通じが悪いときはおなかが張ってしまったり、おなかを下しているときは痛みを感じたりしますよね。按腹療法では、ツボのほかに、そうした体の反応を利用して、異常が出ているところをやさしく刺激して、効果的に内臓機能を調節することができるんです」(志字先生)
江戸時代から続く按腹療法は、中国から伝わってきた東洋医学をベースに、日本独自の発展を遂げたもの。その考え方は、とても理にかなっているんですね。では、按腹はどのような効果が期待できるのでしょうか?
おなかの中も、見た目もスッキリ! 按腹療法の効果
志字先生によれば、もっとも効果が期待できるのは、「お通じの改善」なんだそう。
お通じが整わない原因は人によってさまざまですが、多くは水分不足か内臓機能の低下だといわれています。按腹によっておなかの筋肉を揉みほぐすと、腸のはたらきや水分の代謝がよくなって、排泄する力が戻ってくるんです。お通じが改善すれば、たまったガスによるおなかの張りも解消されてスッキリしますよ」(志字先生)
中には、2週間お通じがなかった方が、1回の施術でスッキリした例もあるのだとか...。さらに、おなかの筋肉を刺激することで緊張を取り除くと、代謝がよくなり、ウエストのサイズダウンも期待できるといわれています。
按腹療法は、おなかへのうれしい効果がたくさん期待できるんですね。
手軽に続けて効果実感! 「セルフ按腹体操」のやり方
では、自宅で按腹療法を行うには、どうしたらよいのでしょうか? 志字先生に具体的な方法をお聞きしました。
<セルフ按腹体操>
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まっすぐ立ち、時計回りに10回、おなかをなでる。(腹部軽擦)
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両手を重ねておなかに当て、腹筋にそってやさしく揉みほぐす。(ろとう揉捏)
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おなかの右下から時計回りに、四角を描くように押していく。(按腹腸四点)
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おへそから指4本分下がったところにあるツボを両手で押す。少し上体を反らすとより深く押すことができる。(関元)
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おへそから指4本+親指分上がったところにあるツボを両手で押す。少し前かがみになるとより深く押すことができる。(中院)
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腰に両手を当て、肋骨の下のくぼみにあるツボを押す。押しながら上体を左右にひねるとより深く押すことができる。(京門)
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時計回りに10回、おなかをなでる。(腹部軽擦)
「ゆっくり深い呼吸をしながら、息を吐くときに押すようにするのがポイントです。力いっぱい押すのはおすすめしませんが、少し痛いくらいの圧を加えて行ってくださいね。
按腹体操をすると胃腸のはたらきが活発になるので、食事の30分前に行うのが理想です。また、ダイエット効果を狙うなら、体があたたまっているお風呂上がりにやるのが効果的です」(志字先生)
按腹体操で、家族みんなでスッキリ!
按腹体操は子どもや妊婦さんも行えますが、妊婦さんの場合は安定期に入るまでは無理をせず、そっとおなかをなでるだけにしたほうがいいでしょう。
また、小さなお子さんなど、刺激に敏感な方の場合は、おなかや背中をお母さんがやさしくさすってあげるだけでも、十分効果が期待できるのだそうです。親子のコミュニケーションや、お子さんの体調を把握するのにも役立つため、毎日の習慣にしてもいいですね。
日本古来の按腹体操は、簡単にできるうえ、無理なく体の中からスッキリ、キレイが期待できるマッサージです。今日から、家族みんなではじめてみては?
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