胃腸も年をとる!年代別・おなかのいたわり方
年齢を重ねるごとに、お通じが乱れがちになってきたり、胃もたれがひどくなってきたと感じることはありませんか?それは、胃や腸の状態が年齢とともに変化しているから。今回は、内視鏡を用いた消化器系の診療を専門とする水上健先生の監修のもと、年齢による胃腸の変化や、おなかの調子を整えるための年代別の注意点について紹介します!
胃腸の変化の原因は、〇〇の変化
加齢とともに起こる胃や腸の働きの変化には、運動不足やストレスの増加など、年齢に応じたライフスタイルの変化の影響が大きいとされています。
特に、運動不足になると、身体を大きくゆらす動きが少なくなり、腸のカーブの部分で、お通じがつまりやすくなります。さらに、お通じのつまりは、腸の上流にある胃の働きにも影響し、内容物の逆流を引き起こして、胃もたれの原因にもなります。
消化不良が続いたり、下剤の長期間の連用などによるダメージが治りにくくなるということも、加齢による胃腸の働きの変化の一つとして挙げられます。
例えば、お通じが改善しても、腸の運動が正常になるまでに、10歳未満の子どもは数日間ですむところが、20代から30代にかけては1~2ヶ月が必要になります。目に見えない部分で胃腸が疲れやすくなっているのです。
また、個人差は大きいですが、一般に30代から腸内の善玉菌が徐々に減少していき、悪玉菌とのバランスが崩れていく傾向があります。悪玉菌は腸内で食べ物を発酵しガスを発生させ、腸のぜん動運動を弱めます。その結果として、お通じが滞りがちになる可能性があるのです。
年代別、おなかの調子を整えるためのポイントとは?
それでは年代ごとに、おなかの調子を整える上で注意すべきポイントについて見ていきましょう。
▼~20代
20代は、一般的にまだまだ胃腸の働きも十分な時期。ただし、生活リズムが乱れがちなので、週に2~3回の運動や、野菜を取り入れたバランスのよい食生活を心がけましょう。
また、お通じが滞っているときに薬に頼りすぎるのはおすすめできません。腸の粘膜を傷つけたり、疲労によって腸の動きが悪くなる原因になります。
ちなみに、日本人の腸は、欧米人に比べて一般的にねじれが多く、腸内でのお通じのスムーズな運搬が妨げられやすいといわれています。さらに、お通じが滞りがちだと、お通じで腸はだんだんとたるんでいきます。
こうした腸の変化は気づかないうちに進んでいってしまうものなので、20代のうちから腸に無理な負担をかけないようにすることが大事です。
▼30~40代
30~40代にかけて、特に女性は、ホルモンバランスの変化や腸内の善玉菌の減少によって、大腸の動きが落ちやすくなっています。
また、育児や家事などで外出や運動が制限されたり、ストレスを抱えたりすることで、お通じが滞りがちになる人も多いのだそう。上半身をひねるストレッチを行うなど、自宅でできる簡単な運動を取り入れましょう。
お通じを改善するという点では、普段使っている砂糖をオリゴ糖に変えるのもおすすめ。腸内の善玉菌のエサになるほか、お通じを少しゆるくする効果があり、カロリーを抑えることもできるので、メタボ気味な人には一石二鳥です。
ちなみに、全ての年代にいえることですが、お通じの良し悪しは、健康な状態のときの回数を基準に考えるのが重要です。
例えば、もともと1週間に3回のお通じでスッキリしていた人が、無理をして毎日出そうとする必要はありません。もし、食生活の見直しや運動をしてみてもお通じの回数が増えないときは、医師の診察を受けてみましょう。
▼50代~
50代以降は、子育てが落ち着いたり、全身の筋肉が衰えたりして運動量が少なくなることで、お通じが滞る傾向にあります。
おすすめなのが、朝のラジオ体操を習慣にすること。適切な運動量で、身体をゆらす動きも組み込まれているので、お通じの改善効果が期待できます。
胃や腸は、一生付き合っていく大事な器官。若いときから無理をさせずいたわってあげて、おなかの状態を健康に保つことを心がけましょう。
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]
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