胃もたれはなぜ起こる?簡単胃もたれ対策でおなかスッキリ
疲れがたまっているときや、食生活が乱れているとき、なんだか『胃もたれ』がして余計に気分も落ち込んでしまう、なんてことありますよね。今回は、つらい胃もたれの原因やお通じとの関係、日常生活の中で実践できる改善方法を、ナチュラルドクターの小林びんせい先生の監修のもと、ご紹介します!
胃もたれの正体とは?
胃もたれとは一般的に、胃腸のはたらきが弱まることで、消化が十分に行われず、胃から腸への食べものの流れが滞っている状態を指します。この『消化不良』の状態が、胃の中に何かが残っているような重たさや、むかつき、痛みの原因となっているのです。
そもそも胃の役割は、食べたものの殺菌・消化を行って、腸で吸収しやすいどろどろの状態にすること。しかし、それは身体にとって負担の大きい作業なのだそう。貧血気味のときや風邪をひいているときに胃もたれしやすいのは、こうした負担に身体が耐えられなくなり、消化不良を起こしているからなのです。
胃もたれにつながる消化不良は、多くの場合、ストレスなどによって引き起こされる自律神経の乱れが原因となっています。
人間の自律神経は、緊張しているときは交感神経、リラックスしているときは副交感神経がそれぞれ働いており、胃や腸などの消化器はこの自律神経によってコントロールされています。食事をとる際は、主に副交感神経が働くのですが、交感神経から副交感神経への切り替えがうまく行なわれなくなると、消化に必要な胃の膨張やぜん動運動が弱まり、消化不良に陥ってしまうのです。
また、食べものの殺菌や分解といった、消化の過程で欠かせない役割を果たす『胃酸の量』にも、自律神経が関わっています。胃酸の分泌量も自律神経によって調節されているため、自律神経が乱れると、必要な量の胃酸が分泌されず、消化不良を引き起こすのです。
ちなみに『年をとると胃が弱くなる』という俗説がありますが、あながち間違いではなく、実際に胃酸は加齢によってだんだんと少なくなってしまうのだとか。それに加えて、日本人は他の国の人に比べ、胃酸が少ない民族といわれています。
その他に、食べ過ぎや飲み過ぎなども、胃を疲れさせ消化機能を低下させる一因に。自律神経の乱れとあわせて、注意が必要です。
胃もたれが続くと、お通じも乱れがちに...
胃もたれ、つまり消化不良の状態は、実はお通じにも影響を及ぼします。
胃酸の量が少なくなると、本来胃酸からの刺激で分泌されるはずの、胆汁やすい液といった消化液の量も少なくなり、たんぱく質・炭水化物・脂質は本来消化・吸収されるべき場所を通り過ぎて腸へ運ばれていってしまいます。
それらの未消化なものが十二指腸や小腸・大腸内で発酵すると、有機物やガスを発生させてしまうことに。その結果、おなかにガスがたまって腸のぜん動運動が弱まり、お通じが滞る原因になってしまうのです。さらに、腸内で発酵したガスは腸から胃へさかのぼっていき、胃を圧迫して内容物の逆流につながったりなど、胃もたれの症状を悪化させることもあります。
おなかの健康をおびやかす『消化不良』...。これを防ぐには、何に気をつければいいのでしょうか?
消化不良とおさらば!すぐに出来る胃もたれ予防法
消化不良と、それに伴う胃もたれを改善するためには、生活リズムを見直し、ストレスを発散して自律神経を整えることが重要。適度に身体を動かしたり、お風呂に入ってリラックスしたり、食事や睡眠の時間の見直しなどで、生活習慣を整えていきましょう。
※自律神経の整え方については、『自律神経とお通じの関係とは』でも解説しています
今回は、日々の食事ですぐにできる、胃もたれしないための方法を2つご紹介します。
まずは、よく食べ物を噛むこと。噛むという動作には、食事が始まったという信号を消化器に送り、胃酸の分泌を促す働きがあります。そのため、よく噛んで食べるだけでも、消化不良を防ぐ効果が期待できるんです。
次におすすめなのが、食事と一緒にハーブティーを飲むこと。ハーブには、消化器の働きをサポートし、気持ちをリラックスさせ、自律神経を整える効果があるものが多くあります。例えば、昔から薬としても使われているハーブの一種『センブリ』は、お茶にすると非常に苦いことで知られていますが、その苦みで胃酸の分泌を促進してくれるといわれています。
胃もたれが続くのは、胃が消化不良に陥っているサイン。しっかりいたわり、スッキリとしたおなかで日々を過ごしましょう!
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]
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