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生活のヒント

手足を温めるだけではだめ!正しい冬の冷え対策とは

2017.12.01

家から出るのもおっくうなほど、寒い日が続いていますね。この季節は『冷え』に悩まされている人も多いことでしょう。冷えは手足が冷たくなってつらいだけでなく、健康にもさまざまな不調を及ぼします。今回は、日本初の『冷え症外来』を開設した渡邉賀子先生の監修のもと、冬の『冷え』を引き起こす原因と、効果的に冷えを予防する方法をご紹介します!

女性の2人に1人が悩む『冷え』。冬の手足の冷えはなぜ起こるの?

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ある調査で、15歳以上の女性約1千人にアンケートをとったところ、半数が『冬になるとつらい冷えを感じる』と回答しています。多くの人が悩む冷えですが、特に女性の場合は、女性ホルモンの影響も考えられるのだそう。

月経前の『高温期』は体温こそ上がるものの、体内の水分量が増えることで冷えを感じやすくなります。また、月経中は体温が低下するだけでなく、月経前に溜め込んだ水分や経血が体内の熱とともに排出されてしまいます。女性はこのふたつのタイミングで身体が冷えやすいのです。

そして、身体が冷えると、心身のさまざまなところに不調をきたしてしまいます。代表的なものは、肩や腰などの筋肉のこりや、消化不良、お通じが滞る・下してしまうなどのおなかの不調、自律神経の乱れが引き起こす気持ちの落ち込みなどです。

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身体の冷えがなぜこんなに多くのトラブルの原因になるのでしょうか?その根本的な原因は、『血行不良』。

血液は、全身の細胞が活動するために必要な酸素や栄養素などを運びながら、不要になった二酸化炭素や老廃物などを回収していますが、冷えによって血行(血流と、それによる細胞の代謝)が悪くなると、十分な酸素や栄養が行き渡らなくなったり、老廃物がたまったままになったりすることで、正常な働きができなくなってしまうのです。

例えば、首や肩まわりの血行が悪くなれば、筋肉に老廃物がたまって痛みが起こります。おなかなどの内臓の血行が悪くなれば、胃の働きが低下して食べ物をうまく消化できなくなったり、腸のぜん動運動が低下して、お通じが滞ってしまいます。

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また、冬の『冷え』は、手先や足先などの末端が冷えることが多いですよね。実はこれは、身体が内臓を守ろうとして血行をコントロールすることで起こる『防御反応』のようなもの。

身体は冷えを感じると、内臓を冷やさないように自律神経が働き、血液を体の中心(=内臓)に集めるようになっています。その結果血行が悪くなり、末端まで血液が行き渡らなくなって、手足が冷えてしまうのです。

しかし、『身体の中心に血液を集めている』といっても、それ以上内臓が冷えないように"キープ"しているだけ。集められた血液で内臓がポカポカに温まるというわけではありません。冷えを根本的に解消するためには、"身体の中心=内臓"を冷やさないようにしてあげることが大切なのです。

冷えとサヨナラするには、どこを温めればいいの?対策アイテムの効果的な使い方

冷えを根元から断ち切るには、手足を温めるだけではダメ!以下の身体の『2つのポイント』を温めましょう。

▼おなか

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重要な"温めポイント"のひとつが『おなか』。胃や腸、肝臓、女性なら子宮や卵巣など、大切な臓器がたくさん集まっている部位のため、ここが冷えると、先ほどご説明した『防御反応』によって、手足の血行まで悪くなります。

また、胃腸が冷えて消化吸収やぜん動運動がうまくできなくなると、食べたものをきちんとエネルギーに変えることができなくなり、身体の中から熱を作り出すのが難しくなって、さらに冷えを招くという悪循環に陥ってしまうことも。おなかをしっかり温めることで、こうしたトラブルを防ぐだけでなく、全身の血行がよくなり、冷えによるさまざまなトラブルや末端の冷えも改善に向かいます。

『おなか』を温めるためには、きちんと胃腸を活動させてあげることが大切です。朝、目覚めたらホットドリンクでおなかを温め、しっかり朝食をとりましょう。たんぱく質は消化吸収される過程で熱を生み出しやすいので、ヨーグルトなどの乳製品や卵、納豆などを食べるのもおすすめです。

冷めにくい『あんかけうどん』に身体を温める作用のあるしょうがやねぎ、七味、山椒などを入れたり、同じく身体を温めてくれるシナモンを振った『ホット豆乳』を飲むのも、冷え対策になりますよ。

▼首

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冬場に温めたいもう一つのポイントは『首』。実は、首周りは、暑さや寒さを察知するセンサーの役割を果たしています。首が冷えると自律神経の働きで末梢血管が縮み、あっという間に手足が冷えてしまいます。そのため、寒い日は首周りの防寒が必須なんです。

温度を感知する『首』を冷やさないためにマフラーを巻くのはとても有効です。しかし、タートルネックなど、常に首元を覆うような"完全防備"は逆効果。室内などで身体が温かくなりすぎると汗をかき、かえって全身の温度を下げることにつながってしまいます。

外ではマフラーをして、室内では首元がスッキリ出るようなファッションがおすすめです。

おなかと首どちらにも使える冷え対策アイテムは◯◯!

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最後に、冬場に欠かせない温めアイテム『湯たんぽ』で、『おなか』と『首』を効果的に温める使い方をご紹介します。

まずおなかを温めるためには、タオルなどでくるんでおなかにかかえるのが一番!最近はミニサイズの湯たんぽなどもたくさん売られているので、オフィスでの冷え対策のためにも、ひとつ持っておくといいかもしれません。

また、おやすみ前は、枕より少し下に湯たんぽを置いて、寝具を温めてからベッドに入ってみましょう。首に当たる部分が温まるので、一晩中ポカポカで過ごすことができますよ。

食事と服装、そして温めアイテムを上手に使った冷え対策で、今年の冬を元気に過ごしましょう!

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

医学博士 / 慶応義塾大学医学部漢方医学センター非常勤講師 / 帯山中央病院院長 / 麻布ミューズクリニック名誉院長 / 日本東洋医学会漢方専門医・指導医 渡邉 賀子

この記事の監修者

医学博士 / 慶応義塾大学医学部漢方医学センター非常勤講師 / 帯山中央病院院長 / 麻布ミューズクリニック名誉院長 / 日本東洋医学会漢方専門医・指導医
渡邉 賀子

1997年、北里研究所にて日本初の『冷え症外来』を開設。2003年に女性専門外来『漢方女性抗加齢外来』を開設。2004年に女性専門外来・麻布ミューズクリニックを開設。より健康で美しい女性の一生をサポートするために、診療・研究活動を続け、多くの女性が悩む冷え症の診断と治療に当たっている。著書に『オトナ女子のためのホッと冷えとり手帖』(主婦の友社)など。

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