仕事中こそ居眠りすべき!?『仮眠』のメリットと正しいやり方
すっかり暖かくなってきて「最近はお昼休みが終わったら、ついうとうと...」なんて人も多いのでは?実は、私たち日本人は、睡眠不足に陥っている人が多いのだそうです。それを手軽に軽減できるのが『仮眠』。いくつかのルールを守れば、午後の仮眠はパフォーマンスの向上や体調管理に大きく役立ちます。
今回は、医師で睡眠コーチの坪田聡先生を監修に、睡眠不足がもたらす影響、仮眠のメリットと、正しい仮眠をとるためのルールをご紹介します。
イライラ、効率ダウン、お通じにも...睡眠不足がもたらす影響
ある研究によれば、人間の脳がしっかり覚醒していられるのは、朝起きてから12〜13時間程度が限界。それ以上連続して眠らずにいると、作業効率はガクッと落ちます。13時間以上眠らない状態は『飲酒運転をしているのと同程度の覚醒度』なのだそう。さらに、日本人の平均睡眠時間は『5時間46分』と、世界でもっとも短いというデータがあります。"不眠大国"日本では、多くの人が、いわば"酩酊状態"で仕事や勉強をこなしているのかもしれません。
また、睡眠不足の状態は、体内時計を狂わせます。睡眠不足の状態が続くと、体内時計に密接に関わっている自律神経とホルモンのバランスを崩してしまうのです。自律神経は、消化や腸のぜん動運動など、おなかの働きも司っているため、体内時計の乱れは、胃腸の働きを弱めてしまい、お通じが滞る原因にもなり得ます。
※お通じと体内時計の詳しい関係性については『夜型生活はお通じに影響が!眠気もおなかもスッキリな体内時計の整え方』でも解説しています。
そして、体内時計が狂って腸内環境が乱れると、夜の睡眠の質を左右する『メラトニン』の分泌が少なくなってしまいます。メラトニンが減少すると、イライラしやすくなったり、気分が落ち込んだりと、精神的に不安定になってしまいます。そのため、思うように仕事や勉強が進まなくなってしまうことも考えられます。
短時間でもスッキリ回復!仮眠の効果
しかし、忙しく過ごしている人にとって、夜の睡眠時間を伸ばすのは難しいですよね。だからこそ、『仮眠』がとても有効なのです。
私たちの身体は、体内時計の影響によって、午後2時〜午後4時の間に眠気を感じやすくなるといわれています。そのため、このタイミングに合わせて仮眠をとることで、睡眠不足や午前中の疲れを効率的に回復することができます。短時間で睡眠不足を軽減することで、体内時計を整え、ストレスの解消や腸内環境を整えることに役立ち、作業効率もアップできるのです。
また、NASAの研究では、昼に26分間の仮眠をとった宇宙飛行士は、平均して認知能力が34%、注意力は54%も向上したという結果が出ています。眠気に襲われる前に仮眠をとることで、睡眠不足と午前中の疲れをリセットして、午後の仕事に臨むことができます。
横になるのはNG!正しい仮眠の方法
ひと口に『仮眠』といっても、効率的に睡眠不足を軽減するためには、いくつかルールがあります。
1.10〜20分程度にとどめる
20分以上の仮眠は、脳も身体も深く寝入ってしまうため、目覚めづらく、かえって眠気やだるさを招いてしまいます。20分以内に仮眠を終えるためには、アラームをかけたり、椅子に座ったまま眠るなどの工夫をするとよいでしょう。机に突っ伏すほか、背もたれに身体を預けて腕を組むと、この体勢でも首や腰を痛めにくくなります。
2.正午から午後3時までの間に
できれば仮眠は、正午から午後3時までの間にとってください。午後4時以降だと、体内時計が『夜の睡眠』として認識してしまうため、その日の夜の寝つきが悪くなる恐れがあります。
3.カフェインを飲んでおく
最後に、コーヒーなど、カフェインの入った飲み物を飲んでおくこともおすすめです。コーヒーは眠気覚しに効果的な飲み物としてよく知られていますが、カフェインが覚醒作用を発揮するのは、飲んでから20〜30分後。そのため、仮眠をする直前に飲むと、起きるころにはちょうどカフェインが効いてきて、スッキリ目覚めることができるのです。
正しいコツをマスターすれば、たった20分の仮眠で疲れをリセットし、身体の中からスッキリできます。今日からは、午後の睡魔も強い味方になるかもしれませんね。
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]
この記事が気に入ったら
いいね!しよう