BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン
食事

食べ疲れの残暑の時期!『スパイスパワー』ですっきりティータイム

2018.09.07

冷たいものやさっぱりしたものが中心で栄養が偏ったり、がっつり・こってりスタミナ食続きで食べ疲れだったり・・・胃腸も秋を迎える前にリセットしておきたいですね。

古代インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、「ヨガや呼吸法、食事、睡眠、マッサージなど、各自に合った生活処方を実践することによって、健康維持を図る」という考え方があり、中でも食べることは、身体だけでなく心や人格にも影響するものと捉えられています。

今回は、インド・スパイス料理の研究家で、書籍『アーユルヴェーダ・カフェ』でレシピ提案をしている香取薫さんに、この時期にオススメのスパイスとその働き、手軽に取り入れられるドリンクレシピを教えてもらいました。

スパイスで家族の健康を守ってきたインドの家庭

ph1.png

「アーユルヴェーダでは、『身体の3つのエネルギー(トリドーシャ)と、心の3つの性質(トリグナ)』は、密接に関係しており、どれか一つが増大することなく、ちょうどよい力関係でバランスを保っていることを元気な状態と考えています。詳細の説明は省きますが、『ドーシャ(トリドーシャ)』のアンバランスなどの理由から、消化が不十分になって、体内に未消化物を作られることになり、さまざまな不調を引き起こすのです」(香取さん)

インドの家庭では、手軽な食物でドーシャのアンバランスを立て直す習慣があり、キッチンにはスパイスボックスが置かれていて、季節や体調、旬に合わせてスパイスを組み合わせ、家族の健康を守ってきたそうです。

香りをかぐだけでも癒しの効果!

ph2.png

「スパイス料理というと、本格的な反面『辛い』『カレー』『エスニック』などに限定されてしまうという人も多いのではないでしょうか。スパイスは元気の元、食欲増進や、リラクゼーションの効果もあるんです」(香取さん)

アーユルヴェーダでは、スパイスを混ぜたり、香りをかぐ行為にも癒しの効果があるのだといいます。いろいろ試しながら自分なりに楽しめるのもいいところ。まずは気軽に楽しめる飲み物から取り入れてみましょう。

おうちでアーユルヴェーダカフェ!お手軽ドリンク3選

◎話題のスパイスラテ「ターメリックミルク」

ph3.png

ターメリック:インドカレーの黄金色のもと。日本では「ウコン(秋ウコン)」として知られる。ターメリックに含まれる「クルクミン」には、肝臓機能の向上や胃の健康維持、消炎鎮痛作用があるといわれ、お酒の前に飲むと、胃腸や肝臓の準備に。

ph4.png

【材料(2人分)】
ターメリック:小さじ1/2
ギー:小さじ1/2
牛乳:360ml

【作り方】
小鍋にターメリックとギー*を入れて練り混ぜ、牛乳を加えて火にかけ、沸騰したらすぐに火を止める。

*ギーはバターの不純物を取り除いた純粋な油分で、料理やスパイスのブレンド、ホットミルクに入れて飲んだりするほか、マッサージなどにも使われます。

◎香りでリラックス「カルダモンチャイ」

ph5.png

カルダモン:独特の芳香と、ピリッとした辛みとほろ苦さをもち、お菓子やコーヒーなどにも使われる。唾液や胃液の分泌を促す、脳内血流を上げる、脂肪を燃焼する働きがあるとされ、消化を助ける。爽快な香りがリフレッシュさせてくれる。

ph6.png

【材料(2人分)】
カルダモン(ホール):2個
紅茶の葉:小さじ2
水・牛乳:各180ml
ブラウンシュガー:適量

【作り方】
①カルダモンはさやから種を出して砕く。*丸い側からさいて種を出し、たたいて砕きます。
②小鍋に水100ml(分量外)と砕いたカルダモンとさやを入れて火にかけ、沸騰したら紅茶の葉を入れる。
③約30秒ふつふつとさせたら水を入れ、再び沸騰したら牛乳を入れる。
④沸騰したら弱火にして約1分煮出し、ブラウンシュガーを加えて甘みをつける。
⑤茶こしでこしてカップに注ぐ。

◎消化を助け、お口もすっきり「フェンネルティー」

ph7.png

フェンネル:和名は「ウイキョウ」。甘い強い香りで魚料理やピクルスの香りづけにも使われる。健胃や利尿、抗炎症作用があるとされ、インドでは食後の消化を助け口をスッキリさせるため、レストランのレジ横に種が置かれているほどポピュラー。

ph8.png

【材料(2人分)】
フェンネルシード:小さじ1強
水:ティーカップ2杯分
ブラウンシュガー:適量

【作り方】
①フェンネルは小鍋で乾煎りする。*煎りすぎないようにしましょう。
②香ばしい香りがしてカリッとしてきたら、水を入れて5分ほど煮る。
③ブラウンシュガーで甘みをつけ、茶こしでこしてカップに注ぐ。

「元気の出るおやつが食べたい、リラックスできる飲み物が欲しい・・・それは身体が必要なものを欲しているサイン。そんなときにアーユルヴェーダの考え方を上手に取り入れて、スパイスやハーブのパワーを味方につけて欲しいなと思っています」(香取さん)

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

インド・スパイス料理研究家 / 日本アーユルヴェーダ学会評議員 / 日本香辛料研究会会員 香取 薫

この記事の監修者

インド・スパイス料理研究家 / 日本アーユルヴェーダ学会評議員 / 日本香辛料研究会会員
香取 薫

1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方を歩き、主婦たちから本場の家庭料理を習う。主宰している料理教室「キッチンスタジオペイズリー」からは、数多くのカレー店主、料理インストラクターを輩出している。著書は『インドのお母さんに学ぶ健康ごはん』(講談社)。『インドの医食同源にもとづく、お手軽レシピ アーユルヴェーダ・カフェ』(上馬塲 和夫著・香取 薫料理 / 地球丸)など。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう


記事一覧へ戻る

  • シェアするシェアする
  • ツイートするツイートする
ページの先頭へページの先頭へ