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生活のヒント

腸がむくんでいるとお通じに影響が!むくみ腸すっきり解決法

2017.06.27

顔や脚がむくむように、大腸もむくむことがあります。腸がむくむ=「むくみ腸」とは、どういう状態なのか、体にどのような影響があるのでしょうか?消化器の専門家で、宮前平すがのクリニック院長の菅野雅彦先生に、むくみ腸についてうかがいました。

「むくみ腸」とは、腸全体がむくんだ状態になること

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「一日じゅう立ち仕事をしていたら、脚がパンパンでだるい」「お酒を飲み過ぎると翌朝、顔が腫れぼったくなる」......。そんな「むくみ」経験は誰にでもあるのでは。なぜ、むくみは起こるのでしょうか。

「むくみは、体中をめぐる血液の流れと関係しています」と、菅野先生。心臓から送り出された血液は、動脈を通って体中の細胞に酸素と栄養を届けます。そして、細胞から出た二酸化炭素や老廃物、余分な水分を回収し、静脈を通って心臓に戻ります。水分は一部、リンパ管にも回収されます。

この血液の流れが悪くなると、水分がうまく回収されなくなり、細胞に水分がたまってしまいます。これが、むくみの原因です。

同じことは、腸でも起こります。

食べたものは小腸で栄養分が吸収され、液状となって大腸へと送られ、大腸で水分が吸収されて便になります。「大腸壁には血管やリンパ管が張り巡らされていますが、腸管の血流が滞ると、腸壁から水分がうまく回収されなくなり、腸管全体がむくんだ状態になるのです」と、菅野先生。

まとめると、「むくみ腸」とは、血流の停滞が原因で起こるもの。余分な水分が細胞間にたまり、脚や顔と同じように、腸も重くだるい状態になってしまいます。細胞の働きが鈍り、腸の働きも影響を受けているのです。

むくみ腸とお通じは、深い関係にある

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自分の腸は「むくみ腸」なのか、気になるところ。腸の状態は外からは見えませんが、「残便感がある」「おならが臭い」「膨満感がある」「頻繁に下剤を使っている」という人は「むくみ腸」になっている可能性が。つまり、お通じが整っていない人は、「むくみ腸」の可能性が高いということになります。

「腸がむくむとぜん動運動が整わず、便がおなかの中に留まったままになります。すると、ますますお通じが整わなくなり、ますます腸管がむくみやすくなるという、悪循環に陥ってしまいます」(菅野先生)

また、体の免疫細胞が最も多く存在しているのは腸なので、腸管がむくんで腸内環境が悪化すれば、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりアレルギーが悪化したりする可能性もあります。「大腸炎など腸の病気、糖尿病などの生活習慣病、うつ病などさまざまな病気のリスクも高まります」(菅野先生)

お通じを整えて「むくみ腸」にならないようにしよう

「毎日のお通じを整えることが、『むくみ腸』の予防や改善に効果的です」と、菅野先生。菅野先生が薦める、むくみ腸にならないためのポイントをご紹介しましょう。

食事のリズムを守る

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食べたり、食べなかったり、ドカ食いをしたり......。不規則な食事は胃腸に負担をかけます。暴飲暴食はもってのほか。腹八分目を守りましょう。

ある程度、決まった時間に食事をとることで胃腸の働きにリズムが生まれ、決まった時間にお通じが来るようになります。

水分をしっかりとる

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お通じの量が少なくて、コロコロと硬い人は、水分摂取量が足りないと考えられます。1日1.5〜2.0リットルの水分をとるよう心がけましょう。

ただし、冷たい水を飲むと胃腸が冷えて動きが悪くなるので、人肌くらいの水や温かい飲み物がお薦めです。

体を動かす!

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腸のぜんどう運動が活発だと、お通じも来やすく、ガスも出やすくなります。体が動かないと、腸は動きません。腸は周囲の筋肉に刺激されて動くので、おなかまわりの筋肉を鍛えましょう。

一駅分歩いたり、階段を使ったり、簡単なエクササイズをしたりと、体力に合わせた運動を取り入れましょう。

下剤に頼らない!

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下剤を常用している人は要注意!下剤は腸を刺激することでお通じを促します。その刺激によって腸管の粘膜に炎症が起こり、それが「むくみ腸」を引き起こします。下剤に頼らない生活習慣を心がけましょう。

食物繊維や発酵食品をとる

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食物繊維は大腸内で発酵・分解されてビフィズス菌の栄養となります。食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、不溶性食物繊維には便のかさを増し、腸のぜん動運動を促す働きがあり、水溶性食物繊維には脂肪分の吸収を防いだり血糖値の上昇を抑える働きがあります。

不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとりましょう。

"腸にいい習慣"に変えていこう

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「下剤で出すのが普通だから」「座り仕事で仕方ないから」と、自分にとっての"当たり前"が、お通じの整わなさ、そしてむくみ腸を引き起こしている可能性があります。生活習慣を見直して、思い切って変えてみることも大切です。

「自転車をこぎ出した時は、タイヤが重くてなかなか進みませんが、走り出してしまえば軽やかになるもの。生活習慣を変える時も、最初はちょっと頑張ってみましょう」(菅野先生)

「食事の時間を決める」「腸にいいものを食べる」「階段を使う」...と、しっかり意識して取り組んで、むくみ腸にならないようにしましょう。

宮前平すがのクリニック院長 / 医学博士 / 順天堂大学医学部非常勤講師 菅野 雅彦

この記事の監修者

宮前平すがのクリニック院長 / 医学博士 / 順天堂大学医学部非常勤講師
菅野 雅彦

専門は消化器。1991年、順天堂大学医学部卒業後、母校にて食道がん、胃がん、大腸がんをはじめとする消化器がんの臨床と若手医師の教育に携わる。1997年、Roswell Park Cancer Institute(米国で最初に設立されたがん専門病院)に留学。2015年、宮前平すがのクリニック開設。

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