どんなウンチが理想なの?お通じの状態から腸内環境をチェック!
お通じは健康のバロメーター。お通じの状態で腸内環境の良し悪しがわかるので、まずは自分のウンチをチェックして腸の状態を確認することが大切です。では、何を基準に確認したらいいのでしょうか。腸の専門家として知られるマリーゴールドクリニックの山口トキコ院長にインタビューしてみました。
自動的にお通じは来ない?! 腸をきちんと動かすポイントは「朝食」
――まず、食べ物がお通じとして排出されるまでの、消化のプロセスを教えてください。
山口トキコ院長(以下、山口院長):食べ物は口の中で噛み砕かれた後、食道を通って胃へ行き、胃液によっておかゆのような状態になります。それが十二指腸、小腸に運ばれるにつれて、さらなる消化と栄養吸収を行いながら大腸へ。
大腸では主に、おかゆ状になった食べ物から水分が吸収され、残ったカスは大腸の中を進みながら固まっていきます。その固まりが、お通じとして排出されるものの正体です。
――食べてからお通じが来るまでに、どのくらいの時間がかかるのですか?
山口院長:排出までの道のりは約9メートル(小腸+大腸)もあり、通常12~48時間かかります。ただ、消化が進めば自動的に排出される訳ではありません。胃に食べ物が入ると、その情報は大腸に伝わり、大腸は大腸内にある固形物の排出を促し始めます。それがある一定レベルに達すると、大脳からの司令が出されてお通じが来ます。
これは一種の体の反射で、朝の時間帯にもっとも起きやすいといわれます。だから朝食は抜かずに、少しでも食べることをおすすめします。
理想は毎日バナナ大、1本半~2本!
――ウンチの状態で腸内環境の良し悪しがわかるというのは本当ですか?
山口院長:はい、わかります。腸内環境がいい人のウンチは十分な水分を含んでいるので、練り歯磨きや、皮をむいたバナナのようになめらかで軟らかい状態です。分量は、バナナ1本を100グラムとしたら、毎日1本半~2本分ぐらいであることが理想。バナナのような形をしていなくても、軟らかさと総量で判断しましょう。
また、お通じが毎日ではなく、2日に1回であっても、お通じが来た後スッキリとした爽快感があるなら問題ありません。
――理想のお通じはどんな臭いや色になるのでしょうか。
山口院長:臭いは強くなく、色は黄土色か茶色が好ましい状態。黒っぽいと大腸の中の悪玉菌が増えている可能性があります。
大腸には現時点でわかっているだけでも100兆個、100種類以上もの腸内細菌が存在するといわれています。腸内細菌は『善玉菌』と『悪玉菌』、そのどちらかの多いほうに加勢する『日和見菌』に分類できますが、善玉菌を増やすことが腸内環境の健康を維持し、お通じのリズムを整えるカギ。
コロコロとして硬かったり、固形物を含まないような水っぽい状態も、悪玉菌の勢いが増しているサインなので注意が必要でしょう。
腸内環境を改善するには種類豊富な食材をよく噛んで!
――善玉菌を増やすには、どうしたらいいのでしょうか?
山口院長:1日約2リットルの水分(食事でとる味噌汁などの水分も含む)をとること、食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻、玄米などの穀物を、できるだけバランスよく食べることが基本。種類豊富に食べるほど、それをエサにする善玉菌の数も増えると考えられるからです。
納豆や味噌などの発酵食も積極的にとり入れてほしい食品です。
また、現代人はあごの力が弱まっていて、食べ物を噛み砕く力も落ちているので、よく噛むように心がけること。しっかり噛むことは食材を細かくし、消化と吸収を高めるためにとても重要な工程です。
――最後に、腸内細菌のバランスを整えるポイントを教えてください。
山口院長:善玉菌は年齢とともに減っていきます。腸内細菌のバランスを整えるには食物繊維を一度にたくさん食べるのではなく、毎日とり続けることがポイントです。
ただ、食物繊維を含む食品にはいろいろな種類があり、人によって合う・合わないがあるかと思います。まずは2週間ほど試して、自分に合う・合わないを判断しましょう。
お通じチェックから食生活の見直しを
理想のお通じになるには、自分にどんな食材が合うのかいろいろ試してみることも大事なんですね。そうやってチェック&フォローを楽しんでいけば、いくつになっても腸内環境をいい状態に保てそうです。
自分の状態をトイレでこまめにチェックしながら、まずは食生活の改善を。腸内環境を整えて、すっきり気持ちのいい毎日をすごしましょう。
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