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生活のヒント

夏の不調は寒さが原因!?意外な「夏冷え」の対策方法

2017.06.27

ご存じのとおり、「冷え」は健康と美容の大敵。しかし、冬よりも夏のほうが体が冷えやすいことを知らない人は多いのでは? 実は、体の冷えは主に夏に蓄積されているものなのだそう。今回は、目黒西口クリニック院長で、日本東洋医学会認定漢方医学専門医の南雲久美子先生に、夏の冷えについて詳しいお話をお伺いしました!

冬より冷える! 夏冷えってどんなもの?

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寒い季節は、ひざ掛けや湯たんぽなどで体が冷えないように気をつけている人は多いですよね。しかし、南雲先生によれば、「夏こそ、冷え対策をしなければならない季節」なのだそう。

「夏は、エアコンの冷気や冷たいもののとりすぎなどで知らず知らずのうちに体が冷えていることが多いんです。夏に体が冷えると、血流や血行動態、水分代謝が悪くなるなど、身体によくない変化が出てきます。しかも、この変化はなかなか元には戻らないんです。そのまま冬を迎え、また次の夏で体が冷えて...といった具合に、何年もかけて体が冷えていってしまいます」(南雲先生)

つまり、体の冷えの原因は、夏の「無自覚の冷え」だったのです。

ただでさえ蒸し暑い夏、体が冷えていることにはなかなか気づきにくいものですよね。そこで、夏冷えしている時にあらわれる代表的な症状について、南雲先生にお聞きしてみました。

その症状、冷えのサインかも? 夏冷えが引き起こす体調への影響

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冬の冷えは手足が冷たくなるなどのわかりやすい症状があるのに対し、夏の冷えは体の中が冷えてしまうもの。内臓が冷えることによって、身体にさまざまな影響があらわれるのです。

「まず考えられるのは、お通じが整わなくなってしまうこと。体が冷えることで自律神経が乱れたり、血流や水分の代謝が悪くなってしまうことが原因です。夏は冷たいものがいっそうおいしい季節ですよね。しかし、たくさんとりすぎてしまうのは考えもの。水分の代謝が悪い状態で冷たいものをとりすぎると、排出されない水分がたまったり、さらに体が冷えて胃腸のはたらきが悪くなったりして、お通じが整わなくなってしまいます」(南雲先生)

この繰り返しで悪循環に陥ってしまい、夏の冷えはどんどん蓄積されていくのだそう。

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また、体がたまった水分を排出しようとして発汗量やトイレに行く回数が急激に増えたり、めまい、頭痛、動悸が起こることも。

「東洋医学では、この状態を『水毒』といい、改善のためには、体をしっかり温めることが効果的だと考えられています」と南雲先生。冬と同様、夏の冷え対策にも、体を温めることが大切なんですね。

暑い夏に体を温めるなんて...。と思ってしまった方、ご安心ください! 夏に体を温めるときは、ちょっとしたひと工夫があればOKなんです。

暑さをしのぎつつ、上手に冷え予防!簡単夏冷え対策

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夏冷えの予防には、服を着込んだり、湯たんぽをなどを使う必要はありません。南雲先生によれば、重要なのは、「冷やしてはいけない3つのポイント」を守ること。

「おなか・足首・首のうしろの3箇所を冷やさないようにすれば、体の冷えを効率良く予防できます。ただし、体全体を効率的に温められるということは、ここを冷やすとすぐに体が冷えてしまうということ。夏のおしゃれは肌を出すものが多いですが、冷えに悩んでいる方ほど、おなかや足首を出していたりすることが多いんです」(南雲先生)

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この3箇所を冷やさないよう、夏のおでかけの時は、上着やスカーフなどを持ち歩くのがおすすめ。特に女性は、生理前と排卵日は体が冷えやすいものなのだそう。おしゃれを楽しみたいときも、その期間だけは、できるだけ露出を控えたファッションにするのがいいかもしれません。

また、今はオフィスやお店、電車の中までエアコンが効いていますよね。反対に、屋外はエアコンの排気熱で信じられないほど蒸し暑い!その温度差も、夏冷えを助長しているんだそう。

「汗をかいた時にエアコンが効いているところに入るのは、お風呂あがりに裸で歩いているようなもの! 体温は一気に奪われます。そんなときは、体を温める飲み物を飲むのもいいと思います」(南雲先生)

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おすすめは、紅茶やプーアール茶、ココア、甘酒など。できれば常温以上の温度で飲むのがおすすめですが、ココアは冷たいまま飲んでも、体を冷やさないという研究結果が出ているのだそう。ちなみに、コーヒーや緑茶は、ホットで飲んでも体を冷やしてしまうので要注意。

ファッションに気を配ったり、飲み物の選び方で、夏冷えは予防できるんですね。これなら、蒸し暑い真夏も無理なく冷え対策ができるかもしれません。

夏冷え対策をしっかりとろう!

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南雲先生によれば、夏冷えはいわば「現代型の冷え性」。エアコンの使いすぎはもちろんのこと、ストレスや緊張のし過ぎも冷えを助長する原因になるのだとか。

「働く女性が増えている今、夏冷えに悩む方もどんどん増えています。がまんできるのであれば、たった1度でもいいのでエアコンの温度を上げたり、扇風機とダブル使いしたりして、できるだけ体を冷やさないようにしましょう。ご紹介したような夏冷えの兆候が身体にあらわれたら、しっかり体を温めるのはもちろん、おなかの調子を整え、悪循環を断ち切ることも大切です」(南雲先生)

暑くなると体調をくずしがち...という方は、もしかしたら夏冷えも原因のひとつだったのかも。しっかり冷え対策すれば、今年の夏はもっと健康に過ごせるかもしれませんね。

目黒西口クリニック院長 / 日本東洋医学会認定漢方医学専門医 南雲 久美子

この記事の監修者

目黒西口クリニック院長 / 日本東洋医学会認定漢方医学専門医
南雲 久美子

「冷えは万病のもと」とし、原因のはっきりしない不調を東洋医学と西洋医学を融合した独自の視点から診察・治療を行っている。著書に『タイプ別 冷え性改善ブック』、『冷え性・貧血・低血圧』など。

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