

脳の健康にも役立つ!?おなかと脳の密接な関係とは

『物忘れがひどくなった』『とっさの判断が遅くなった』など、ふとした拍子に『脳』の働きが悪くなってきたと感じることはありませんか?肌や目などと同じく、脳も年齢を重ねるにつれてだんだんと老化していくもの。そんな脳をいつまでも健康に保つのには、なんとおなかの腸も関係があるのです。
今回は、玄米菜食を中心とするマクロビオティックの専門家である阿部一理先生の監修のもと、脳と腸の関係や、おなかと脳の働きを健康に保つのに役立つ食べ物をご紹介します!
人間の身体はもともと『腸』からできていた!?腸と脳の意外な関係

脳と腸は一見離れた場所にあり、その機能も大きく異なるように思えますよね。しかし、人間が生まれてくる過程において、この2つには密接な関係があります。
実は胎内の受精卵が成長する際、まず発生するのが腸。そこから胃や食道などが、1本の消化管として形づくられていきます。そして、その先にできあがるのが脳なのです。
腸には多くの神経細胞が集まっていることから、『第二の脳』と呼ばれることもありますが、実は人間が誕生する過程では、むしろ脳が『第二の腸』といえます。腸と脳に神経細胞が多く集まっているのは、このためです。

脳が強いストレスや緊張を感じていると、自律神経が乱れて腸に刺激を与え、さまざまなストレスホルモンが分泌されます。その結果、脳の機能に影響を及ぼし、気分が落ち込んだり、怒りっぽくなったりすることがあるんです。
一方で、腸が健康な状態では、抗ストレスホルモンや、気持ちを落ち着かせたり、睡眠を促したりするなど、脳の機能に役立つホルモンが多く合成されるようになります。
このように、脳と腸は神経系などを介して互いに影響を与え合う『脳腸相関』という関係にあります。そのため、脳を健康に保つのには、腸の健康を維持することも必要だといえるんですね。
身体の免疫系を司る腸!脳の血流にも関係が

さらに、腸と脳の関係を考える上で欠かせないのが免疫系の働きです。
腸には身体の中にある免疫系の約70%が集まっているといわれており、身体の外から入ってくる細菌やウイルスに対する、身体の防御反応の大部分を担っています。
免疫系には、脳の神経細胞が正しく働いているか、その状態をチェックし調節する役目もあるといわれています。腸には、免疫を通じて脳の働きを監視し、正常に保つ働きもあるのです。

また、脳が十分な働きをするためには、新鮮な血液が脳内を巡っていることが必要不可欠です。この血液の循環にも、腸は関わっています。
腸内細菌は、食べ物を栄養分や人体に無害な物質に変え、腸内から身体に送り出しています。しかし、腸内に悪玉菌が増え、消化物の腐敗やガスの発生が進むと、人体に悪い影響がある物質までもが腸から身体に吸収されていくことに。
その結果、血管は傷つき、動脈の硬化や血栓、体力の衰えなどを引き起こします。

そして、脳は血液が運んでくる酸素によってその働きを維持しているため、腸の健康が損なわれて血流が滞りがちになったり、血液の質が悪くなったりすると、脳にも悪い影響を及ぼす可能性があるのです。
おなかと脳を元気にする食べ物とは?
脳を健康に保つためにも、ぜひ腸の健康を維持しておきたいものですね。
日頃の生活でおなかによくないことをしていないかきちんと見直すことが大切ですが、まずは手軽な方法として、腸の健康をサポートする食事をとることから始めてみましょう。
ここでは、腸と脳の健康のどちらにも役立つ2つの食べ物をご紹介します。
【豆腐】

一つ目は、豆腐です。豆腐は腸内の善玉菌のえさとなるオリゴ糖を含むだけでなく、脳や神経組織を作るレシチンが多く含まれています。また、脳の働きをサポートするチロシンも多く含まれており、脳を活性化させる『ブレインフーズ』の一つとしても注目されています。
水分を多く含んでいるため、水分不足によるお通じの改善にも効果的です。
【発酵食品】

もう一つは、みそやチーズにヨーグルトといった発酵食品です。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を多く含んでいます。また、細胞の新陳代謝を促すビタミンB2や酵素も多く含まれており、脳を含め身体中の細胞にエネルギーを与える効果があります。
脳の健康を維持するためにも、おなかの健康をしっかり整えていきましょう!
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]


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