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生活のヒント

長居し過ぎで体調を悪くしてませんか?こたつで健康に温まるポイント

2018.01.31

寒い日のこたつはついつい長居したくなってしまうもの。特に疲れている時やお酒を飲んでいる時などは、あまりの心地よさにそのままうたた寝してしまう、なんてこともありますよね。でも、長い時間こたつに入っていると、身体に思わぬ不調を招いてしまうかもしれないんです。

今回は、『脱水症状対策のプロフェッショナル』として知られる麻酔科医の谷口英喜先生の監修のもと、こたつに入りすぎた際に起きる身体への影響や、身体に負担をかけずにこたつで温まるためのポイントをご紹介します!

こたつに入った時の体温上昇が、自律神経を乱す原因に!脱水にも注意

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足を入れるだけで手軽に温まれるこたつですが、長時間入っていたり、そのまま寝てしまうと、身体に思わぬ変化を招いてしまうかもしれません。まず考えられるのが、『急激な体温の上昇』と、それにともなう『自律神経の乱れ』です。

昔から『頭寒足熱』と四字熟語にあるように、足先を温めると心臓から血液を送り出す働きが活性化され、体温も上昇しやすくなるといわれていますが、こたつに足を入れた場合は、骨盤や足の付け根の太い血管まで一気に温められることに。

足先だけを温めるよりも体温に与える影響は大きくなり、体温が上がり過ぎてしまう傾向にあるのです。

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また、こたつに入っていない上半身は下半身に比べて寒い状態のままなので、足先から体温が上昇していることに気づきにくくなっています。

この上半身と下半身の寒暖の差は、体温を調節する自律神経を疲れさせ、その働きを乱す原因になります。汗をかき始めるタイミングが遅れたり、体温を逃がすために皮膚への血流を増やすタイミングが遅くなったりする可能性もあるのだとか。

特にこたつ寝には注意!寝ている間はもともと自律神経も休んでいる状態なので、体温の変化に対して、身体が最も無防備な状態といえます。

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そして、こたつに入っている際に注意したいもう一つの変化が、身体の『脱水状態』です。こたつに入っている時は、体温の上昇によって、普段よりも多くの水分が身体から失われていきます。

例えば、1時間こたつに入り、体温が1℃上がったとします。前述の通り、こたつに入ると体温が上がっていくため、それを下げるために身体は汗をかきます。その量は、成人女性で100mlほど。また、汗とは別に、皮膚や吐き出す息から失われる水分もあり、その量は体温が1℃上がるごとに約150mlも増えるとされています。

簡単にいえば、1時間こたつに入っていると、コップ一杯分(200ml前後)の水分が、身体から余計に失われていると考えられるのです。

こたつの影響で水分が過度に失われると、脱水症状により体調不良を引き起こすことがあります。症状として出やすいのは脳や筋肉、消化管といった、もともと水分を多く含む部分。めまい、ふらつき、頭痛のほか、筋肉に力が入りにくくなったり、こむら返りなどの原因にもなります。

こたつに入りすぎると、お通じの調子にも影響が!

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長時間こたつに入ったり、そのまま寝てしまうことで起きる自律神経の乱れや脱水症状。これらは、お通じにも悪い影響を及ぼす可能性があります。

まず、脱水症状によって腸内の水分が失われると、お通じが硬くなります。その結果、お通じが腸の中でつまりやすくなるので、こたつ寝をした後はお通じが滞りがちになります。

また、消化をはじめとする胃腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、寒暖差による自律神経の乱れは、胃腸の働きを乱し、消化不良や腸のぜん動運動を弱める可能性があります。

さらに、腸内で働く消化酵素の機能が低下することもあります。腸内の酵素は、37℃で最も効率的に働くといわれていますが、体温がそれ以上の温度に上昇することで、消化酵素が働きづらい環境になってしまうのです。

4つのポイントに気をつけて、健康にこたつで温まろう!

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こたつに入りすぎると身体に影響が...とはいえ、寒い日にはこたつが必要不可欠ですよね。そこで、身体に負担を与えずにこたつで温まるための4つのポイントを紹介します。

【ポイント1:時々こたつから出る】

こたつで温まる時は、1時間に一度こたつから出るようにしましょう。体温の変化をゆるやかにし、自律神経の乱れを防ぐことができます。

【ポイント2:水分補給を忘れずに】

こたつに入っている間は、水分をこまめに補給することも重要。水やお茶はもちろん、みかんも水分を多く含んでいるのでおすすめです。こたつといえばみかんのイメージがありますが、これは水分を補うという点で、理にかなったものなんです。

【ポイント3:厚手の服で入らない】

厚手のズボンや靴下をはいたままだと、こたつの熱に気が付きにくくなります。また、服の内側が蒸れて水分を失いやすくなるので、こたつに入る前には、パジャマなどゆったりした服装に着替えるようにしましょう。

【ポイント4:お酒を飲んで寝ない】

体温の上昇や脱水症状に気づかずに寝込んでしまうため、お酒を飲んでのこたつ寝は避けましょう。また、アルコールには、脱水作用や自律神経のバランスも乱す働きもあるので、こたつによる悪い影響をさらに大きくしてしまう可能性もあります。

こたつの温かさはとても心地よいもの。注意点をしっかり守って、健康的に温まりましょう!

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

麻酔科医師 / 済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長兼栄養部長 / 神奈川県立大学がんセンター麻酔科非常勤講師 /日本麻酔学会指導医 / 日本集中治療医学会専門医 / 日本救急学会専門医 ほか 谷口 英喜

この記事の監修者

麻酔科医師 / 済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長兼栄養部長 / 神奈川県立大学がんセンター麻酔科非常勤講師 /日本麻酔学会指導医 / 日本集中治療医学会専門医 / 日本救急学会専門医 ほか
谷口 英喜

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授を経て、済生会横浜市東部病院周術期支援センター長兼栄養部長。神奈川県立がんセンター麻酔科非常勤医師。『脱水症状のプロフェッショナル』として、こたつで寝ることのさまざまな危険性を示唆している。

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