季節の変わり目は『悪い汗』をかきやすい?汗腺を鍛えてサラサラ汗を目指そう!
春を迎え、暖かい日が増えてくると気になってくるのが『汗』のニオイ。実は、季節の変わり目にかく汗には、特に注意が必要なのです。
今回は、汗や身体のニオイの専門家である五味常明先生の監修のもと、汗のニオイの原因やおなかとの関係、『良い汗』をかくための方法について、詳しくご紹介します。
汗腺の働きの低下が、汗のニオイの原因に
身体の中の水分量や、体温を調節している『汗』は、主に水分からできていて、皮膚にある『汗腺』から体外へと排出されていきます。汗腺には、汗の中に含まれるミネラルなどをろ過し、身体の中に再吸収させる働きがあり、汗をかけばかくほどその働きは活性化され、逆に汗をかかなくなると弱まっていきます。
汗のニオイが気になる原因は、実はこの汗腺の働きが弱まって、汗の中の不純物の割合が多くなっているからなのだそう。
汗には体温を調節する働きがあり、不純物が十分にろ過された『良い汗』は、サラサラとしていて蒸発もしやすく、少量でも体温を一定に保つことができます。ニオイの元となる物質もあまり含まれていないので、それほど匂いません。一方、汗腺のろ過機能と再吸収機能が十分に機能せず、不純物が多く混じった『悪い汗』は、大粒で蒸発もしにくく、大量に排出しないと体温を下げられないうえ、汗のニオイも強くなります。
季節の変わり目、特に冬から春にかけては、冬の寒さで汗をかくことも少なく、汗腺の働きも弱っています。そんな中で、気温の上昇とともに大量に汗をかくと、再吸収が追いつかず、ニオイの元となる物質を多く含んだ『悪い汗』となってしまうのです。汗腺の働きが一番下がりやすいのは、2〜3月とされています。春先に汗のニオイが気になるのは、このためです。
春先に限らず、エアコンがきいた部屋にずっといたり、あまり運動をしないでいたりしても、汗腺が十分に働かなくなってしまうので、注意が必要です。
また、春先は人間関係や生活環境が変わることも多く、ストレスを感じやすい時期。ストレスでかく汗は、『精神性発汗』といい、普段の汗とは違い、一気に排出されます。ミネラル分などを再吸収する間もなく体外へと出てしまうので、『悪い汗』になりやすいとされています。
『悪い汗』はおなかにも悪影響を...
『悪い汗』は、おなかにも悪い影響を及ぼします。
『悪い汗』で体温を一定に保つには、大量に汗をかかなければなりません。そのため、体内の水分量が必要以上に失われてしまい、脱水症状をおこしやすくなります。結果、腸内の水分が少なくなり、お通じが滞ってしまう可能性があるのです。
さらに、お通じが滞り、腸内環境が乱れると、ニオイの元となる物質が腸の中にたまりがちになります。それらが腸から身体へと再吸収され、血液中をめぐり、汗とともに排出されることで、汗のニオイが強くなってしまうこともあるのだそう。
※腸内環境とニオイの詳しい関係性については、『気になる口や体のイヤなニオイ、原因はおなかにあった!?』でも解説しています。
また、『悪い汗』をかいているときは、自律神経の中でも交感神経が優位になっています。すると、副交感神経への切り替えがうまくいかず、副交感神経が司っている腸のぜん動運動も滞ってしまうのです。エアコンのきいている部屋から炎天下に出た時や緊張している時などに、汗をかくとともにおなかの調子が悪くなるのは、そのためです。
汗腺を鍛えて、『良い汗』をかける身体に!
では、『良い汗』をかくためには、普段からどのようなことに気をつければいいのでしょうか。ここでは、2つのポイントを紹介します。
一つ目のポイントは、汗腺の働き自体を鍛えること。汗腺を活性化するには、長い時間をかけて、ゆっくりと汗をかくことが大切なので、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
また、入浴しながら汗腺のトレーニングを行うこともできます。湯船に少なめにためた熱めのお湯(43〜44℃ぐらい)に、ひざ下とひじ先を10〜15分つけます。その後、水を足して36℃ぐらいにしたお湯に全身をつけ、10〜15分入浴しましょう。身体全体の汗腺を刺激することができ、リラックス効果もあるので、自律神経も整えることができます。
二つ目のポイントは、腸内環境を改善して、ニオイや老廃物のもとを減らすこと。動物性たんぱく質や脂質を多く含む食事は控えるようにしましょう。また、食物繊維は、ニオイ物質を包んでお通じとして排出してくれます。水溶性の食物繊維を多く含む、めかぶなどの海藻類がおすすめです。
※ニオイを改善するための食事法については、『気になる口や体のイヤなニオイ、原因はおなかにあった!?』でも解説しています。
出会いが増える春、『良い汗』をかける身体づくりをこころがけましょう!
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]
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