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生活のヒント

ビタミンCはなぜ『健康に良い』?意外と知らないビタミンCの働きと効果

2018.03.28

ビタミンCというと、フルーツや野菜などに多く含まれていて、なんとなく『健康や美容に良いもの』というイメージがありますよね。でも、実際に身体の中でどのように働いているのか、知らない人も多いのでは?

そこで今回は、ビタミンCや老化に関する研究を専門とする石神昭人先生の監修のもと、体内でのビタミンCの働きや、健康・美容への効果について、詳しくご紹介します!

ビタミンCの働き① 活性酸素の除去

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ビタミンCは体内でさまざまな働きをすることがわかっていますが、なかでも重要なのが、体内の活性酸素を除去する『抗酸化作用』だといわれています。

活性酸素は、体内に取り込まれた酸素が、代謝の過程で変化して生み出されるものです。体内に侵入する細菌やウイルスに対抗する働きがありますが、その強力な酸化作用で、たんぱく質や脂質、DNAを酸化、いわば『錆び』 させてしまいます。この「錆び(酸化)」は、身体を老化させる主な原因になっています。

ビタミンCには、酸化している物質を元に戻す働きがあり、増えすぎた活性酸素を除去し、安定させてくれます。そのため、ビタミンCを多くとっていると、細胞の状態を正常に保ち、老化の進行を遅くすることができるのです。

ビタミンCの効果② コラーゲンを作る酵素のサポート

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ビタミンCには、酵素の働きを助ける役割もあります。特に重要なのが、美容とも関連の深いコラーゲンをつくる酵素のサポートです。

コラーゲンは、アミノ酸から作られるペプチド鎖という物質が、3重らせん状に結ばれているような構造をしています。その結び目が規則的になればなるほど、コラーゲンの質も良く、きめ細やかな肌になります。ビタミンCは、このペプチド鎖が結合する際の酵素の働きをサポートするのです。

また、コラーゲンは骨や血管の形成にも関わっています。そのため、ビタミンCが不足すると、間接的に骨がもろくなってしまったり、血管がボロボロになったりする原因にもなります。肌にハリがなくなったり、少しの衝撃でも内出血するようになったら、それはビタミン不足のサインかもしれません。

ビタミンCの働き③ ホルモンの調整

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ビタミンCは、多くのホルモンが作られる『副腎』でも働いています。

特に、身体の活動を活発化させるアドレナリンの合成に関わっているのだとか。ビタミンCが不足していると、気分が落ち込み気味になったり、身体がなんとなくだるくなってしまうといわれているのは、このアドレナリンの合成が十分に行われなくなってしまうため。ストレスを感じやすい人は、そのぶん体内のビタミンCも消費しやすいといわれています。

ホルモンの合成を通じて、ビタミンCは人間の活動全般に関わる、重要な働きを担っているのです。

ビタミンC豊富な食材は?おすすめのとり方は?

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身体の中で重要な働きを担っているビタミンCですが、人間は身体の中でビタミンCを作ることができません。進化の途中で、ビタミンCの合成に必要な酵素を失ってしまったのです。

また、血中のビタミンCの量は、加齢とともに減っていきます。これは、腸からの吸収能力が衰えたり、身体で使われる量が増えたりしているから。最近では10〜20代の若い女性も、食事制限やダイエットの影響で、ビタミンCが足りていない可能性が高いとされています。

では、どのようにしてビタミンCを補っていけばいいのでしょうか。

ビタミンCを多く含む食材には、緑茶(茶葉)や焼きのり、レモン、じゃがいもなどがあります。中でも摂取しやすいのはじゃがいも。デンプンが全体を包み込むことで、熱してもビタミンCが壊れにくく、効率的にとることができます。

また、ビタミンCを多く含んだフルーツに、プレーンヨーグルトを組み合わせて食べるのもおすすめです。おいしく食べられるうえ、ヨーグルトに含まれるタンパク質や酵素とあわせてビタミンCをとることができます。特にビタミンCを多く含んでいるイチゴやキウイ、ブルーベリーなどは、ヨーグルトと味の相性もばっちりです。

私たちの身体に欠かせないビタミンC。普段の食事に積極的に取り入れて、身体を若々しく、健康に保っていきましょう!

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

薬学博士 / 東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム・分子老化制御 研究部長 チームリーダー  石神 昭人

この記事の監修者

薬学博士 / 東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム・分子老化制御 研究部長 チームリーダー
石神 昭人

1990年東邦大学大学院博士課程修了。主な専門は、老化のメカニズムやビタミンCの働き。米国国立衛生研究所(NIH)、国立老化研究所(NIA)で客員研究員を歴任。1994年より東京都老人総合研究所細胞化学部門、研究員。2005年に東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チーム・老化制御、リーダー、主任研究員に就任し、2014年より東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム・分子老化制御、研究部長、チームリーダーを務める。 主な著書に『ビタミンCの事典』(東京堂出版)など。

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