BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン
生活のヒント

正しいお風呂の入り方知ってる?意外と知らないお風呂の健康効果とは

2017.04.03

入浴するとき「暖かい日や忙しい日は、ついついシャワーだけで済ませてしまいがち...」という人も多いのではないでしょうか。しかし、実は「お風呂」には、私たちが思っている以上に、健康を促進してくれる効果があったのです。お風呂と健康について詳しい、東京都市大学教授、医学博士の早坂信哉先生に、お風呂の効果と理想の入り方について伺いました!

お風呂の最大の効果は"血行促進"にあった!

pixta_14047317_M.jpg

湯船に浸かると、体が温まってとてもゆったりした気持ちになれますよね。早坂先生によれば、お風呂の効果はそれだけではないとのこと。実は、お風呂には、心身のリラックス以上の効果が期待できるんだとか。

「お風呂に入ることのメリットのひとつに"温熱効果"があります。体が温まると血管が広がり、血行がよくなります。これにより、体内の老廃物や疲労物質が排出されるのを促すことができるんです。つまり、新陳代謝が活発になり、体の内側から健康できれいになれるということ。お風呂に入ると体がスッキリするのは、実際に老廃物などが排出されているからなんですよ。湯船の中の適度な水圧も、血行をよくしてくれます。お風呂に入ったとき、思わず『ふぅ〜』と声が出てしまった経験はありませんか? 実はこれも、水圧による作用なんです」(早坂先生)

ほかにも、お湯のもつ浮力で体にかかる重力が軽減されることで筋肉の緊張がほぐれたり、毛穴が開いて汚れが落ちやすくなるなど、お風呂に入ることで得られるメリットはとても大きいのだそうです。

おなかまでスッキリ! お風呂の温熱効果はこんなにすごかった!

pixta_26282071_M.jpg

早坂先生によれば、お風呂に入って体が温まる"温熱効果"は、さまざまな体の不調の改善に役立つんだそう。

「お風呂に入ると疲れがとれますよね。これは、お風呂で体が温まると、自律神経のバランスが整うから。自律神経とは、私たちが生きるために無意識に働いている神経のことで、脳や体が活発に活動しているときに優位にはたらく交感神経と、脳や体がリラックスしている時に優位にはたらく副交感神経の二つがあります。お風呂で体が温まると、副交感神経が優位になって、心身をリラックスさせることができるんです」(早坂先生)

腸のはたらきも自律神経によって左右されるため、なんと、このメカニズムは、おなかの中へも同じように影響するんだとか。

「本来、胃や腸などの消化器官は、食事中や食後などにはたらく器官ですよね。つまり、心身がリラックスしている時=副交感神経が優位になっている時の方が動きがいいんです。そのため、お風呂に入ってリラックスすることで、便秘などのおなかの悩みの解決にもつながります」(早坂先生)

では、より効果的にお風呂のリラックス効果を得るためには、どうすればいいのでしょうか?

基本は"ぬるめのお湯にゆっくり"! 正しいお風呂の入り方

pixta_7974225_M.jpg

お風呂でしっかり心身をリラックスさせるためには、お湯の温度と時間が重要。ここでは、早坂先生にお伺いした正しいお風呂の手順と一緒に、ご紹介したいと思います。

正しいお風呂の手順

  1. まずはたっぷりの水分補給。水やお茶でもOKですが、脱水予防のためのオススメはスポーツ飲料のようなもの。1回の入浴で800ml程度脱水してしまうという研究結果もあるのだそうで、入浴前にもコップ1~2杯は水分補給を。

  2. 血行の急上昇を避けるため、全身にかけ湯をしましょう。手おけで10杯ほど、足元からゆっくり、心臓に近づけていきます。

  3. ゆっくりお風呂につかります。リラックス効果を狙うなら、理想は40℃以下のぬるめのお湯。ゆっくり10分ほど浸かるのがいいのだそう。

  4. しっかり温まったら体を洗い、もう一度お風呂につかります。洗っている間に冷えた体を温めなおすイメージで。

「お風呂でしっかり温まったら汗をかいていますので、もう一度コップ1~2杯分の水分補給を行ってください。アルコールは脱水作用があるため、お風呂上がりにお酒を飲んだ場合は、必ず別に水分も摂りましょう。そのあとは、30分以上ゆっくり休めるといいですね。私は、休日には早めにお風呂に入り、お風呂上がりにゆったりした服を着てから部屋を暗くしてベッドで保温しながら休み、そのまま寝てしまうこともあります。お風呂上りに意識して休むとちょっと贅沢な気分になれるので、オススメですよ」(早坂先生)

お風呂でリラックスしたいなら、理想の時間帯は夜。ゆっくり時間をかけてお風呂に入ってから休むのが最も効果的なんだそう。

湯船に浸かれない場合は、足湯でもOK!

pixta_19367618_M.jpg

「忙しくてお風呂に浸かっていられない!」という人は、体を洗っている間に"足湯"をするだけでも、温熱効果を得られるのだそうです。

「シャワーだけだと体の温まりが十分でないことがあるので、42〜43℃くらいのお湯を洗面器に張って、足をつけたまま体を洗うのがいいと思います。血液は約1分で全身を一周すると言われているので、体を洗っている間に足湯をするだけでも、しっかり温まることができますよ」(早坂先生)

疲れたら、お風呂でリラックスしよう!

pixta_12869314_M.jpg

忙しい時は、ゆっくりお風呂につかる時間がとれないことも多いと思います。しかし、しっかりリラックスして心身の疲れを取ることはとても大切。『週に1回はお風呂につかろう』とか『月に1回は銭湯に行こう』など、自分のできる範囲でかまわないので、お風呂に浸かることを習慣づけてみてくださいね。

お風呂は、私たちの毎日に欠かせないもの。温度や時間を少し工夫することで、無理なくその効果を得られます。「ちょっと疲れているな」などと感じたら、今日はゆっくりお風呂につかってみるのもいいかもしれません。

温泉療法専門医 / 東京都市大学教授 / 医学博士 早坂 信哉

この記事の監修者

温泉療法専門医 / 東京都市大学教授 / 医学博士
早坂 信哉

入浴・温泉・健康に関する医学的な研究を専門とする。新聞、女性誌、テレビ番組など、さまざまなメディアに出演。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』など。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう


記事一覧へ戻る

  • シェアするシェアする
  • ツイートするツイートする
ページの先頭へページの先頭へ