

人生100年時代、「脳」を若返らせるヒントは「好きなこと」にあった!

「人生100年時代」という言葉が注目されるいま。「いつまで元気でいられるんだろう......」と不安になることはありませんか?
例えば、加齢による代表的な病気のひとつ、『認知症』。2025年には65歳以上の5人に1人が何らかの認知症を患っている――ともいわれています(2015年、厚生労働省)。この数字、家族や身の回りの人のことを考えると、無関係ではいられませんよね。
今回は、約16万人の脳MRIを解析した東北大学加齢医学研究所の瀧靖之先生監修のもと、"生涯健康脳"のために、若いいまのうちから知っておきたいことをご紹介します。
女性は老後10年以上"不自由な生活"に?"健康脳"の重要性

2017年、厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳と、過去最高を記録しました。では、どのくらいの人が、老後を健康にすごせているのでしょうか?

「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を定義した、『健康寿命』という考え方があります。2013年のデータによると、日本人の『健康寿命』は男性が71.19歳、女性が74.21歳。
『健康寿命』と平均寿命を比べると、健康寿命が男性では9年、女性では13年も低いことに。つまり、この期間、健康上の問題により、不自由がある生活を送っている――と考えられるわけです。
健康長寿に欠かせない"健康脳"って?

瀧先生によると、『健康寿命』を「平均寿命」に近づけるカギは"脳の健康"。日本人が寝たきりになる大きな原因には、『脳出血』や『くも膜下出血』『脳梗塞』などの脳の病気があります。また、『認知症』も高齢化社会の大きな課題です。「いつまでも元気」をめざすには、「脳の血流がよく、代謝が非常に高い状態にあり、活発に動いている」="健康脳"が必要不可欠なのだとか。
ワクワクが脳を刺激!"知的好奇心"を持とう

では、どうしたら"健康脳"を保てるのでしょうか?大切なのは次の3つ。
1・知的好奇心を持つ
知的好奇心のレベルが高い人ほど、脳の記憶や会話・読み書きなどの基礎的な働きに関わる、『側頭頭頂部(そくとうとうちょうぶ)』の萎縮が遅くなるのだとか。
2・運動する
継続的な有酸素運動が、脳内で記憶を形成する中枢となる『海馬(かいば)』の萎縮を食い止め、認知機能を高めるという研究結果があるそうです。運動は1日30分程度のウォーキングでよいそう。
3・コミュニケーションをとる
会話を通じて人と交流したり、理解しあったりすることも欠かせません。おしゃべりしながら相手に共感するとき、脳の社会性や理性を司る『前頭葉(ぜんとうよう)』が活性化するからです。
「好きなこと」、趣味が「知的好奇心」のもとになる

運動するにしても、人と会話するにしても、「このスポーツをしてみたい」「相手のことを知りたい」という気持ちがベースになります。ですから、まずは「知的好奇心を持ち、追及する」ことが重要になるのだそう。難しいことではなく、「好きなことをする」、「趣味を持つ」ことでいいんです!
例えば、運動系のヨガやテニス、登山などでも、文化系の読書や映画鑑賞、カメラ、語学、または料理やカラオケなどもOK!「趣味がない」場合は、子供のころの習い事や「憧れていたけれどできなかったこと」など、自分が「懐かしい」と思うことをするのもよいですよ。
「仕事が趣味」はキケンかも?いまからやっておきたい趣味づくり

「では、老後はのんびり趣味を楽しもう」という方!
瀧先生によると「認知症の予防は、早ければ早いに越したことない」そう。何より、リタイア後に趣味を満喫するためには、若いうちから、さまざまな趣味に少しずつチャレンジして、「どんな趣味が自分に合っているのか」を探しておくのが賢明です。例え3日坊主で終わっても、気が向いたときに再開したり、次のことをはじめたりすればよいのですから。
それから、「仕事が趣味」という方もいますよね。ですが、もし、仕事を辞めたときには、自分の居場所を失ってしまう可能性も......。やはり、「仕事以外の趣味」、または「家庭」といった、仕事以外の居場所を複数持つのが理想です。
知らない街を散策!この夏は小旅行にでかけよう

手軽に「知的好奇心」を満たせるのが旅行。健康に対するモチベーションも沸きますし、旅先への興味も出てきます。旅の感想を人に伝えたくなるので、"健康脳"のための「1・2・3」をカバーできます。
もっと簡単に「電車で1時間の小旅行」で、知らない街をのんびり散歩したり、お店をのぞいたりするだけでも、新しい発見があるはず。次の夏休みには旅行に出かけるのもいいですね。
年をとっても、できるだけ健やかな状態で過ごしたいもの。いまから、知的好奇心を刺激して、"生涯健康脳"をめざしましょう。
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]


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