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生活のヒント

人生100年時代、「脳」を若返らせるヒントは「好きなこと」にあった!

2018.06.27

「人生100年時代」という言葉が注目されるいま。「いつまで元気でいられるんだろう......」と不安になることはありませんか?

例えば、加齢による代表的な病気のひとつ、『認知症』。2025年には65歳以上の5人に1人が何らかの認知症を患っている――ともいわれています(2015年、厚生労働省)。この数字、家族や身の回りの人のことを考えると、無関係ではいられませんよね。

今回は、約16万人の脳MRIを解析した東北大学加齢医学研究所の瀧靖之先生監修のもと、"生涯健康脳"のために、若いいまのうちから知っておきたいことをご紹介します。

女性は老後10年以上"不自由な生活"に?"健康脳"の重要性

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2017年、厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳と、過去最高を記録しました。では、どのくらいの人が、老後を健康にすごせているのでしょうか?

平均寿命と健康寿命の比較.png

「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を定義した、『健康寿命』という考え方があります。2013年のデータによると、日本人の『健康寿命』は男性が71.19歳、女性が74.21歳。

『健康寿命』と平均寿命を比べると、健康寿命が男性では9年、女性では13年も低いことに。つまり、この期間、健康上の問題により、不自由がある生活を送っている――と考えられるわけです。

健康長寿に欠かせない"健康脳"って?

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瀧先生によると、『健康寿命』を「平均寿命」に近づけるカギは"脳の健康"。日本人が寝たきりになる大きな原因には、『脳出血』や『くも膜下出血』『脳梗塞』などの脳の病気があります。また、『認知症』も高齢化社会の大きな課題です。「いつまでも元気」をめざすには、「脳の血流がよく、代謝が非常に高い状態にあり、活発に動いている」="健康脳"が必要不可欠なのだとか。

ワクワクが脳を刺激!"知的好奇心"を持とう

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では、どうしたら"健康脳"を保てるのでしょうか?大切なのは次の3つ。

1・知的好奇心を持つ

知的好奇心のレベルが高い人ほど、脳の記憶や会話・読み書きなどの基礎的な働きに関わる、『側頭頭頂部(そくとうとうちょうぶ)』の萎縮が遅くなるのだとか。

2・運動する

継続的な有酸素運動が、脳内で記憶を形成する中枢となる『海馬(かいば)』の萎縮を食い止め、認知機能を高めるという研究結果があるそうです。運動は1日30分程度のウォーキングでよいそう。

3・コミュニケーションをとる

会話を通じて人と交流したり、理解しあったりすることも欠かせません。おしゃべりしながら相手に共感するとき、脳の社会性や理性を司る『前頭葉(ぜんとうよう)』が活性化するからです。

「好きなこと」、趣味が「知的好奇心」のもとになる

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運動するにしても、人と会話するにしても、「このスポーツをしてみたい」「相手のことを知りたい」という気持ちがベースになります。ですから、まずは「知的好奇心を持ち、追及する」ことが重要になるのだそう。難しいことではなく、「好きなことをする」、「趣味を持つ」ことでいいんです!

例えば、運動系のヨガやテニス、登山などでも、文化系の読書や映画鑑賞、カメラ、語学、または料理やカラオケなどもOK!「趣味がない」場合は、子供のころの習い事や「憧れていたけれどできなかったこと」など、自分が「懐かしい」と思うことをするのもよいですよ。

「仕事が趣味」はキケンかも?いまからやっておきたい趣味づくり

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「では、老後はのんびり趣味を楽しもう」という方!

瀧先生によると「認知症の予防は、早ければ早いに越したことない」そう。何より、リタイア後に趣味を満喫するためには、若いうちから、さまざまな趣味に少しずつチャレンジして、「どんな趣味が自分に合っているのか」を探しておくのが賢明です。例え3日坊主で終わっても、気が向いたときに再開したり、次のことをはじめたりすればよいのですから。

それから、「仕事が趣味」という方もいますよね。ですが、もし、仕事を辞めたときには、自分の居場所を失ってしまう可能性も......。やはり、「仕事以外の趣味」、または「家庭」といった、仕事以外の居場所を複数持つのが理想です。

知らない街を散策!この夏は小旅行にでかけよう

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手軽に「知的好奇心」を満たせるのが旅行。健康に対するモチベーションも沸きますし、旅先への興味も出てきます。旅の感想を人に伝えたくなるので、"健康脳"のための「1・2・3」をカバーできます。

もっと簡単に「電車で1時間の小旅行」で、知らない街をのんびり散歩したり、お店をのぞいたりするだけでも、新しい発見があるはず。次の夏休みには旅行に出かけるのもいいですね。

年をとっても、できるだけ健やかな状態で過ごしたいもの。いまから、知的好奇心を刺激して、"生涯健康脳"をめざしましょう。

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

医学博士 / 東北大学 加齢医学研究所 教授 / 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 教授 瀧 靖之

この記事の監修者

医学博士 / 東北大学 加齢医学研究所 教授 / 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 教授
瀧 靖之

東北大学加齢医学研究所、および東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成。脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍する。『「好きなこと」で、脳はよみがえる 無理なくできる“生涯健康脳"のつくり方』(大和書房)、『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(文響社)ほか、“脳”にまつわる著書多数。

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