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生活のヒント

ダイエットにもなる長寿食!ヘルシーな『地中海和食』に注目

2018.07.02

ここ数年トレンドのダイエット法といえば、ご飯やパン、麺などを控える「糖質制限ダイエット」でしょう。しかし、慣れ親しんだ主食のご飯、パン、麺類を控えるのはかなりツライですよね。そこでオススメしたいのが、健康的なダイエット法である『地中海式食事法』です。

今回は、オリーヴァ内科クリニック院長の横山淳一先生と管理栄養士の金子多喜子さんに、『地中海式食事』のメリットと、普段の日本の暮らしにも取り入れやすい、"和食コラボメニュー"である『地中海和食』について教えていただきました。

『地中海式食事』って?どうして健康にいい?

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『地中海式食事』は、主食となる穀物をしっかり摂って、野菜、果物、豆類、オリーブオイル、乳製品や新鮮な魚介類などを中心にした食事のこと。リバウンドの少ないダイエット食として注目されています。ご飯を主食とした「一汁三菜」の和食と食べるものが似ていますね。

実は「地中海食」は、「和食」がユネスコの世界無形文化遺産になるよりも先に登録されているのです。

「地中海沿岸地域は平均寿命が高いということも注目に値します。沿岸地域の長寿は、地中海食が支えていると言えるでしょう」(横山先生)

食べるべき食品と量がひと目でわかる「地中海食ピラミッド」

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上の図は、アメリカ農務省が1992年に発表した「地中海の食事によるダイエット・ピラミッド」を元に作成したものです。このピラミッドには、地中海沿岸地域の1960年代の食習慣がまとめられており、『地中海式食事』にとって重要な食品を表しています。

下にいくほど量も頻度も多く摂取し、上にある食品ほど摂取を控えることが推奨されています。

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『地中海式食事』で薦められている、摂取頻度別の食品は次のとおりです。

・毎日欠かさずに食べる
精製度の少ない穀類やイモ類、野菜、果物、ナッツ類、オリーブオイル、ナチュラルチーズ、ヨーグルト

・週に数回
魚介類、鶏肉、卵、デザート

・月に数回
赤身の肉(動物性脂肪分の少ない赤身肉を選びます)

このほか、ピラミッドの底辺にあるように毎日の適度な運動がポイントとなっており、水や適量の赤ワインも薦められています。

大幅なカロリー制限がないのも、『地中海食』によるダイエットの特徴。食事のボリュームを減らさず満足感があるので、長続きしやすいのだそうです

オリーブオイルの摂取については、ダイエット中の方は抵抗感がある方もいるかもしれません。しかし、金子さんによると「適切に油を摂ることは健康維持のために必要。動物性の脂に偏らず、植物性の油とのバランスをよくすることが大切です」とのこと。

ピラミッドを見ればわかる通り、地中海食は日本でも気軽に食べられる食材ばかり。「穀物や魚介類など和食に慣れ親しんだ日本人に、実践しやすい食事の構成です」と横山先生が言うように、日本人にもぴったりの食事法です。

地中海食と和食のいいとこどり『地中海和食』

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「地中海食」の特徴であるオリーブオイルを「和食」の献立にふんだんに使う食事、それが『地中海和食』です。

◎『地中海和食』実践のポイント

1)主食は玄米やパスタ、全粒粉入りのパンにする。

2)油はオリーブオイルを使用し、例えば、魚や野菜、きのこにオリーブオイルをかけてグリルで焼いたり、お酢を加えてマリネにする。

3)間食はヨーグルトや果物、ナッツにする。

「地中海食でよく食べるパスタや玄米、豆、果物などは糖質を含む食品ですが、どれもインスリンの過剰分泌を招きにくい『低GI(※)食品』なのです。さらにオリーブオイルと一緒に摂ることで、糖質の吸収が穏やかになるので、食後の血糖値の急上昇を抑えます」(横山先生)

※グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、その食品が体内で糖に変わり、血糖値が上昇するスピードを示す指標

また、『地中海和食』はダイエットのためだけでなく、腸にもよいことがわかりました。地中海食で毎日よく食べる「未精製の穀物や野菜、果物、豆類」には、食物繊維が多く含まれており、お通じの滞りを防ぐそうです。

おいしさと満足感を得やすい『地中海和食』。緑黄色野菜や豆類をオリーブオイルで調理するため、素材のうまみ、味が生かされおいしく食べられます。なじみのある和食の食材なら、無理なく続けられそうです。さっそく明日からでも、ダイエットにこの考え方を取り入れてみてはいかがでしょう。

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

横山 淳一<br>オリーヴァ内科クリニック 院長 / 医学博士 / 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・指導医 / 日本内分泌学会認定 内分泌代謝専門医<br><br>金子 多喜子<br>オリーヴァ内科クリニック 管理栄養士 / 日本糖尿病療養指導士 横山 淳一 / 金子 多喜子

この記事の監修者

横山 淳一
オリーヴァ内科クリニック 院長 / 医学博士 / 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・指導医 / 日本内分泌学会認定 内分泌代謝専門医

金子 多喜子
オリーヴァ内科クリニック 管理栄養士 / 日本糖尿病療養指導士
横山 淳一 / 金子 多喜子

横山 淳一
1973年千葉大学医学部卒。東京慈恵会医科大学内科学教授を経て、現職。西洋文明の源流である地中海沿岸、とくにイタリアに健康食の原点を求めて研究。1990年代から糖尿病患者のための『地中海式食事法』を提唱。院内では食事指導のための食事会も開催している。著書に『炭水化物を食べながらやせられる! 地中海式 世界最強の健康ダイエット』(SB新書)。

金子 多喜子
2010年日本女子大学家政学部食物学科卒。大学卒業後、糖尿病専門医のもとで生活習慣病指導、糖尿病患者会運営、講演等の活動をしている。

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