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生活のヒント

『飲みすぎ』にも注意!夏に知っておきたい水分補給のコツ

2018.07.02

暑さを感じる日が続くようになってきましたが、夏に気をつけたい「水分補給のコツ」をご存じでしょうか?「ノドが渇いたら水を飲めばいいんでしょ?」というだけではいけませんよ。

今回は「脱水症状対策のプロフェッショナル」である、麻酔科医の谷口英喜先生監修のもと「夏の水分補給のコツ」をお届けします。「熱中症」を引き起こすこともある「脱水症」。大人はもちろん、ご家族に高齢者や小さなお子さまがいる方は要注意です!

どうして「脱水症」になるの?唾液だけでも1日1リットルの「体液」が必要

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まず、「脱水症」はどうしておきるのでしょうか?

大人の場合、体重の約6割は水と塩分(電解質)が混ざった「体液」です。「体液」には、汗として身体の外に排出されることで体温調節を行ったり、栄養素や酸素、老廃物などを運び出すなどの大切な働きがあります。なんと、1日の「唾液」の量は1リットルもあり、おなかのなかの「腸液」は8リットルもあるのだとか!身体のなかでたくさんの「体液」が使われているのがわかりますよね。

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「脱水症」がおこるのは、食欲不振などで「①身体に入ってくる液体が少なくなったとき(慢性型)」、また大量の汗をかいたり、おなかを下したりして「②身体から失われていく液体が増えたとき(急性型)」です。①はじわじわと、②は急激に症状がではじめます。

見逃さないで!「口がネバつく」のも「脱水症」のサイン

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「脱水症」により、「体液」が不足すると、さまざまな体調不良を引き起こします。例えば、水が失われることでおこる症状にはめまいやこむら返り、吐き気、頭痛、食欲不振などがあり、塩分(電解質)が失われることでおこる症状には、こむら返り、足がつるといったものがあります。

そんな「脱水症」の予兆として、代表的なものがこちら。思い当たることはないでしょうか?

●もしかしたら「脱水症」かも?こんなサインにご注意を!

・口の中がネバつく

・夏バテ気味に感じる

・しょっちゅうノドが渇く

・日中、トイレに6時間以上行っていない

・足がつる

・二日酔いのような症状(頭痛や吐き気、眠気など)がある

全身にある「体液」ですが、筋肉に最も多く含まれています。そのため、筋肉量が多く、「体液」を保持できる男性よりも、女性のほうが「脱水症」になりやすいそう。ノドの渇きを感じにくく、汗をかきにくい高齢者、また、大人よりも体液の割合が多く、自分で水分摂取の判断ができない子どももなりやすいため、注意が必要です。

「脱水症」が引きおこす、おなかへの影響って?

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「脱水症」により、お通じが整わなくなってしまうこともあります。まず、腸内の水分が失われることにより、お通じが滞りがちになります。また、消化機能への血流が不足することで、おなかの働きが低下して、おなかを下し、さらに水分が失われるという悪循環に陥ることもあるのだとか。谷口先生によると「病院にくる患者さんの中には、夏場におなかが痛いから食あたりと思っていたら、熱中症による脱水症だった」なんてこともあるそうです。

ノドが渇く前に飲む!日常生活での水分補給のコツ

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それでは、普段、「脱水症」にならないために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?

●水分をとるタイミング

できれば、起床時、食事時、入浴前後、就寝前にはコップ1杯の水を飲むようにしましょう。10時、15時といった食事の合間にも水分補給を忘れずに。「ノドの渇きを感じる前に飲む」のが重要です。

●水分の種類

胃腸にやさしく吸収しやすい、常温の水がよいといわれています。ミネラルウォーターやスポーツドリンク、お茶でもOK。牛乳やジュース類でもよいのですが、とくにジュース類は糖分が多いものもあるため、飲みすぎないこと。アルコールは水分が奪われてしまうので避けてくださいね。

「水の飲みすぎ」にも注意!「水中毒」になることも......

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とはいえ、「水だけたくさん飲んでいればよい」という訳ではありません。水だけをとっても、身体のなかにためておくことができず、体外に排出されてしまうからです。また、水だけを一度に多量にとることで体液が薄まり、意識がもうろうとしたり、けいれんを引きおこしたりする「水中毒(みずちゅうどく)」と呼ばれる状態になってしまうこともあるのだとか......。

1日に必要な水分量は約1.5リットルともいわれていますが、あくまでもこまめにとるのがベター。「脱水症」が心配なときには、水と塩分(電解質)を含んだ『経口補水液』を摂取するのもよいでしょう。ちなみに、汗に塩分が含まれているからといって、食事でとくに塩分を増やす必要はないそうです。

「熱中症」の初期症状になる「脱水症」。水分補給はもちろんのこと、身体を鍛えて筋肉を育てたり、規則正しい生活で体調を整えたりすることも必要です。この夏を元気に過ごすためにも、水の飲み方に気をつけてくださいね。

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

麻酔科医師 / 済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長兼栄養部長 / 東京医療保健大学客員教授 / 日本麻酔学会指導医 / 日本集中治療医学会専門医 / 日本救急学会専門医 ほか 谷口 英喜

この記事の監修者

麻酔科医師 / 済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長兼栄養部長 / 東京医療保健大学客員教授 / 日本麻酔学会指導医 / 日本集中治療医学会専門医 / 日本救急学会専門医 ほか
谷口 英喜

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授を経て、済生会横浜市東部病院周術期支援センター長兼栄養部長。神奈川県立がんセンター麻酔科非常勤医師。『脱水症状のプロフェッショナル』として活動する。著書に『イラストでやさしく解説! 「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』(日本医療企画)がある。

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