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生活のヒント

子どものおなかの風邪、何を食べさせる?病院を受診するサインは

2018.11.30

体調を崩しやすい季節。子どもが「おなかの風邪」をひくと、「吐いた後に水は飲ませる?」「ご飯は食べさせていいの?」と迷うことも...。今回は小児科専門医である鳥海佳代子先生監修のもと、「子どもがおなかの風邪をひいたときの食事のとり方、水分補給の仕方」についてお伝えします。体調不良のときに「病院を受診する目安」も教えていただきました。

「おなかの風邪」って何?おなかの中で何が起こっているの?

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まず、一般的にいわれている「おなかの風邪」とはなんでしょうか?

子どものおなかが急にゆるくなったり、吐いたりして、病院を受診した際、お医者さまに「おなかの風邪でしょう」と言われた場合、多くは「ウイルス性胃腸炎」をさします(「急性胃腸炎」、「感冒性胃腸炎」という場合もあります)。ウイルスがおなかに入り込み、悪さをしていることにより、「便(うんち)のゆるみ」や「吐き気」などの症状を引き起こしてしまうのです。

吐いてしまったら、水分は「少しずつこまめに」とらせるのが基本

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子どもは身体における水分の割合が大人よりも大きく、水分が身体から出入りする割合も多いため、おなかの風邪をひいてしまったら「脱水状態」にならないよう注意が必要です

〇吐いた後、すぐには水分をとらせないこと

小さな子どもが吐いてしまった場合、30分~1時間後くらいは、再び吐いてしまう可能性があります。すると、より水分が失われ、悪循環に陥ってしまいます。1時間ほど経ってから水分をとらせましょう。

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〇水分補給の基本は「少しずつこまめに」

一度に沢山の水分をとると、また、吐いてしまう可能性が。水分は少しずつこまめに与える「少量頻回」が基本です。1口、2口程度の量の水分をコップに入れて渡すか、スプーンで1さじ程度をあたえます。その後、時間が経っても吐き戻しがなければ、少しずつ段階的に量を増やしながら、あたえてみます。経口補水液や子ども用のイオン飲料などもおすすめ。赤ちゃんの場合は母乳やミルクをあげても大丈夫です。

ご飯は食べさせてよい?いつ、何を食べる?

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おなかの風邪で迷うのが、ご飯を食べさせるタイミングとメニューです。

「食べさせてもいいの?」と不安になりますが、吐き気がおさまり、水分がとれるようなってきたら「少量ずつ、比較的消化のよいものからなら、食事をしても大丈夫」とのこと。食欲があるのに、ムリに絶食させる必要はないそうです。

「風邪のときはおかゆ」と考えがちですが、おなかにやさしくて、子どもが好きなものなら食べさせてもよいのだとか。離乳食の場合も、体調をみながら再開してよいそうです。

〇消化によい食べ物の例

おかゆ、やわらかめのご飯、食パン、温かいそうめん、うどん、味噌汁やすまし汁、よく火を通した野菜スープ、すりおろしたリンゴ...など

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油分が多い料理(天ぷら、カレーなど)、生もの(サラダ、刺身)、脂肪分の多い肉類...といった消化によくない食べ物は、体調が回復するまでは控えましょう。みかんなどの柑橘類、同じく柑橘類のジュースは、おなかがゆるくなることもあるので注意します。

子どもの体調がよくない...病院に行ったほうがいいの?

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おなかに限らず、子どもに風邪らしき症状があるときに、お家で様子をみてもよいのか、すぐに病院に行ったほうがよいのか判断しづらいこともありますよね。病院に行く目安はあるのでしょうか。

〇病院を受診すべきサインの例

・泣いて機嫌が悪く、元気がない
・生活に支障が出るくらいの症状がある(おしりがかぶれるくらいのゆるい便が出る、回数が多い、咳や鼻水で眠れない...など)・胸からゼーゼー、ヒューヒューと音が聞こえる
・38.5度以上の高熱が出ている(下がっていない)
・脱水状態の可能性がある(何度も吐いて全く水分がとれない/おしっこの量や回数が少ない/濃い色のおしっこが出る/口の中が渇いている/肌が乾燥している感じがする...など)

また、子どもと一緒に親も風邪をひいてしまった...なんてこともあるもの。大人も「高熱が続く」「咳が多い」「咳が続く」「息苦しい」というような症状があれば、単なる"風邪"ではないことがありますので、医療機関を受診した方がよいでしょう。おなかの風邪をひいたときの、水分補給のコツや食事のとり方は大人の方でも同じです。

それから、風邪のようにみえても違う病気が隠れていて、徐々に症状があらわれることもあります。受診後も、普段と違う様子が続いたり、ほかの不調があらわれたりする場合は再受診したほうがよいでしょう。

小さな子どもが体調を崩すと心配になりますが、様子に気を配りながら、ケアしてあげてくださいね。

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

小児科専門医 / とりうみこどもクリニック副院長 鳥海 佳代子

この記事の監修者

小児科専門医 / とりうみこどもクリニック副院長
鳥海 佳代子

小児医療の第一線で18年以上の経験を持ち、地域の中核病院など17か所の病院で勤務。乳幼児健診や育児相談を得意としており、健診と相談だけでも1万人以上の母親と向き合ってきた。小児科受診とホームケアのコツについて『自己肯定感を育む子育て』などについて各地で講演する。人間行動学の権威 Dr.ディマティーニの「価値観を明らかにし、人生に活かす」バァリューファクターのファシリテーターでもある。著書に『小児科医が教える 子どもが病気のときどうすればいいかがわかる本』(KADOKAWA/中経出版)、『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない (いらない薬、いらないワクチン教えます) 』(マキノ出版)がある。

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