BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン BifiXヨーグルトマガジン人生100年時代を腸から。からだが喜ぶこといっぱいのウェブマガジン
生活のヒント

肩こりには40℃。疲れをとる「正しい入浴方法」教えます

2019.03.04

温かい湯船につかると、心身ともにリラックスするもの。気持ちがゆったりするのはもちろん、入浴には健康にうれしい効果もあるんです。今回は医学博士で『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』著者、早坂信哉先生監修のもと、「疲れをとるための正しい入浴法」をご紹介します。

ぬるま湯を手足にかけてリフレッシュ効果を高める「温冷交代浴」をはじめ、肩こりや目の疲れ、花粉症といった悩み別に役立つ入浴のコツもお届けします。

疲れをとる!「正しい入浴方法」は40℃の全身浴

pixta_39704397_S.jpg

お風呂の健康効果として代表的なものは主に3つ。まずは「①温熱作用」。湯船につかり、血管が広がることで血液の流れを促します。それから「②静水圧作用」。お湯の水圧が全身にかかることで、血液やリンパの流れをよくします。そして「③浮力作用」。水中では身体の重さが通常の「約10分の1」程度になるため、普段、体重を支えている関節や筋肉への負担が減り、身体の緊張がやわらぎます。

疲れがとれるカギは「血流の改善」にあった!
お風呂で疲れがとれるのは、①温熱作用や②静水圧作用により、血液の循環が促されることにあります。血液には全身の老廃物を回収し、酸素や栄養分を全身にいきわたらせる働きがあります。この血液の循環が疲労回復のためにはとても重要です。さらに③浮力作用によるリラックス効果で副交感神経が優位になり、よい睡眠にもつながります。

正しい入浴方法のポイント3つ

1)全身浴で肩までつかる...温熱作用・静水圧作用・浮力作用のいずれのためにも、肩までしっかり湯船につかることが肝心。半身浴よりも全身浴がおすすめです。

2)温度は40℃...リラックス時に働く、副交感神経が優位になる温度です。副交感神経が優位になることで、ストレスや冷え、胃腸の働きにもよいことが知られています。お通じの滞りにもよいでしょう。42℃以上のお湯は交感神経が高まるため、ご注意を。

3)入浴時間は10~15分程度...トータル10~15分程度の入浴でOK。無理な長湯は禁物です。

入浴時はかけ湯をし、いきなり浴槽につからないこと。全身浴で息苦しくなる方は無理をせず、半身浴に。また、入浴前後には水分をしっかりとって。就寝の1~2時間前に入浴して、お風呂で自律神経のスイッチを副交感神経に切り替えましょう。

ぬるま湯でOK!つらい疲れには「温冷交代浴」を

pixta_44193548_S.jpg

つらい疲れをスッキリしたい、スポーツで筋肉痛...。なんてときには「温冷交代浴」をお試しください。温かいお湯につかると温熱効果により、血管が拡張します。冷たい水を身体にかけると、交感神経が刺激されて血管も縮小します。温冷交代浴では、この拡張(お湯)収縮(冷水)を繰り返すことで、血流が促されると考えます。

冷水を浴びるのは身体への負担が大きいため、ぬるま湯で行いましょう。

●温冷交代浴のやり方
①かけ湯の後、40℃のお湯に肩まで約3分間つかります。
②湯船から出て、30℃程度のぬるま湯を手足に30秒程度かけます。
③①→②を3回程度繰り返します。

早坂先生によると「手足の先にちょっと冷たいと感じる程度のぬるま湯をかけるだけで十分に交感神経の刺激になる」そう。慣れてきたら、ぬるま湯の温度は少し下げてもかまいません。血圧が上昇する入浴方法のため、健康に不安がある方は避けてくださいね。

肩こり、目の疲れ、花粉症。お悩み別入浴方法

pixta_19387853_S.jpg

基本の入浴法に加えて、気になるお悩みに役立つ入浴方法もあるんです。

・肩こり...40℃のお湯に肩まで10分つかります。湯船につかりながら、肩を回したり、もんだりしてほぐします。

・目の疲れ...目をつぶり、42℃程度の熱いシャワーを目の周囲にあてます。蒸しタオルを目に当ててもOK。脱衣所の灯りはつけたまま、浴室の電気を消して脱衣所から漏れる光だけにして、強い照明からの光の刺激を抑えるのもよいでしょう。

・花粉症...帰宅後、すぐにシャワーまたは入浴し、髪や身体についた花粉を取り除くのがベスト。42℃以上のお湯で入浴すると、アレルギーの原因となる物質「ヒスタミン」が作られるといわれています。38~40℃のお湯に15分程度が目安です。

早坂先生いわく「すぐれた疲労回復のツール」であるお風呂。空気がひんやりしている季節。今晩からさっそくお風呂の入り方を参考にして、疲れをいやしてくださいね。

[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]

温泉療法専門医 / 東京都市大学 教授 / 医学博士 早坂 信哉

この記事の監修者

温泉療法専門医 / 東京都市大学 教授 / 医学博士
早坂 信哉

入浴・温泉・サウナなど、生活習慣としての入浴について医学的な調査・研究を行う。新聞、女性誌、テレビ番組などのメディア出演多数。著書に『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、『入浴検定公式テキスト』(日本入浴協会)がある。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう


記事一覧へ戻る

  • シェアするシェアする
  • ツイートするツイートする
ページの先頭へページの先頭へ