緊張するとおなかがくだるのはなぜ?新生活に知っておきたい対処法
緊張するとトイレに行きたくなる。おなかがゆるくなりやすい...。春は社会的な環境が変化しやすく、ストレスを感じることも多いもの。今回は心療内科専門医の伊藤克人先生に「ストレスとおなかの関係」について教えていただきました。
緊張する場面で取り入れたい考え方や食生活、生活習慣でのポイントとは?
ストレスでおなかの不調があらわれる理由は「自律神経の乱れ」にあり!
どうして、ストレスが「おなかの不調」となってあらわれるのでしょうか?
ストレスを感じると、不安や緊張、あせり、イライラといった不快な感情があらわれます。こうした感情が生まれるのは「脳の大脳辺縁系」です。不快な感情は自律神経系の中枢である「脳の視床下部」に「ストレス信号」となって伝わり、「自律神経の働き」に影響をあたえます。
自律神経には、活動しているときに優位に働く「交感神経」と、リラックスしているときに優位に働く「副交感神経」の2つがあり、胃腸での消化吸収活動は「副交感神経」と密接に関わっています。ストレスにより自律神経のバランスがくずれると、お通じのゆるみ(下痢)をはじめとした、おなかの不調となってあらわれます。
こうした脳とおなか(胃腸)の密接な関係を「脳腸相関」といいます。
緊張する場面ではどのように考えればいいの?
実際、緊張を感じる場面では、どのように考えればいいのでしょうか?
「『誰でも緊張する』『緊張したままでいい』とその状況をあるがまま受けとめ、抗わないようにします。多少、緊張するときでもその感情を放っておけば、気持ちはむしろ目の前の状況に向けられ、だんだん落ち着いてくるはずです。こうした経験を積んでいけば、ストレスや緊張によるおなかの不調も起こりづらくなると思います」(伊藤先生)
新生活こそ注意!食事や睡眠での、規則正しい生活リズムを大切に
生活リズムの乱れも、おなかの働きに影響します。生活に変化が起きやすい新年度こそ、気をつけてみてくださいね。思い当たることがある人はぜひ改善を。
◎生活習慣でのポイント
〇朝のトイレタイムに余裕を持つ
「外出中にトイレに行きたくなるかも...」と不安になりやすい場合は、トイレをすませて出ることで安心感が持てる。
〇休養をしっかりとる
休憩時間や休日を意識的にとり、頭や気持ちを休ませる時間を確保する。休日でも、起床時間はなるべく一定に。
〇おなかを冷やさない
足腰の冷えはおなかの不調の原因に。おなかまわりを適度に温めると安心することも。ウォーキングなどの軽い運動もおすすめ。
◎食事でのポイント
〇朝食をとる
朝ごはんを食べることで、朝、自宅にいる間に排便しやすくなる。排便リズムを整えるためにも、3食の時間は一定に。
〇野菜は煮込んで食べる
野菜は細かく刻む、また、煮込んで温かいものを食べる工夫を。
〇カフェインやアルコールは控えめに
おなかを刺激するカフェインやアルコール、炭酸飲料、香辛料はできれば避ける。油っこい料理や肉の脂身、ファストフードなども控えめに。
おなかのゆるみに市販薬を使いたい...という方もいますよね。「いつも同じ症状で、いつも通りに飲んで治る」なら、市販薬を使用しても問題ないそうです。ただし、注意したい場合もあります。
「発熱や吐き気・おう吐、血便、腹痛が強い、便に血が混じるなどの症状があれば、ほかの病気の可能性も。下痢が続く、いつもと違う症状がある場合は、医療機関を受診することが大切です」(伊藤先生)
気になるおなかの不安を少しでもやわらげて、快適にすごしたいですね。
[文・構成 BifiXヨーグルトマガジン編集部]
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