GABA成分って何?

血圧低下、ストレス低減、睡眠の質向上など、
現代人が抱える悩みに寄り添う成分

ストレス低減に役立つことで注目を浴びたGABA成分。近年、GABA成分を含有した商品も多く登場し、一般生活者にとってもなじみ深い成分となっています。
さてGABA成分とは、植物や動物、私たちの体内などの天然にもともと存在するアミノ酸のひとつです。γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略して、GABA(ギャバ)と呼ばれています。 GABA成分は、主に脳や脊髄において、「抑制性の神経伝達物質」として働いています。
これによって、興奮を鎮めたり、リラックスをもたらす役割を果たしているのです。

  • 野菜や果物

  • 脳や脊髄などの
    中枢神経に多く存在

  • お茶やコーヒー

  • チョコレートや
    クッキー

  • サプリメント

GABA成分を添加した
食品やサプリで手軽に賢く摂取

特定保健用食品(トクホ)ではすでになじみのある成分でしたが、2015年にはじまった機能性表示食品制度の導入で、GABA成分を含有した商品の発売がよりスピーディーに。機能性表示食品の届け出受理件数を見ると、スタート時の4件から、2016年には76件、2017年までのトータル件数は136件と大幅に増加。
そして2022年10月時点では、GABA成分を含有した機能性表示食品の受理件数は208件に上っています。

素材別受理件数ランキング
(GABA(ギャバ)・ストレス研究センター事務局調べ 2022年5月17日現在)

  • 1位 GABA 685件
  • 2位 難消化性デキストリン 428件
  • 3位 DHA・EPA 287件
  • 4位 ルテイン・ゼアキサンチン 247件
  • 5位 ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン 185件

機能性表示食品 受理件数の推移

急増

消費者庁/機能性表示食品の届出情報検索(2022年10月時点)

GABA成分が抽出されて70年以上

1950年、哺乳動物の脳からGABA成分が初めて抽出されました。
この抽出成功をきっかけに多くの研究がなされるようになり、GABA成分が神経中枢で働く抑制系の代表的な神経伝達物質であることが分かったのです。
1961年には、GABA成分を主とした医療用医薬品が承認されました。
1979年、消化管においても神経伝達物質として機能していることが発見され、その後、体内組織のいろいろな部分に存在することが明らかになりました。
1984年頃になって、ようやくGABA成分という名前が一般的に知られるようになってきました。GABA成分を多量に含むお茶が開発され、そのお茶を飲むことで、塩分取りすぎによる高血圧を防ぐことが報告されたためです。
それ以降は、GABA成分のリラックス機能、脳細胞の代謝活性化作用などが、健康情報のテレビ番組や雑誌でたびたび紹介されるようになりました。

現在も、さまざまな優れた機能を持つGABA成分は大変な注目を集め、多角的に研究が進められています。そして、さまざまな食品への応用も進んできています。

GABA成分の歴史

GABA成分不足を補うために

GABA成分は動物や植物の内にある天然のアミノ酸のため、日頃私たちが口にするさまざまな食べ物に含まれています。よく知られているのはチョコレートに含まれるカカオや発芽玄米で、例えば発芽玄米には100g中に10mgのGABA成分が含まれています。これは実に白米に含まれるGABA成分の約10倍にあたる量です。このほかにもトマト・なす・アスパラガス・かぼちゃ・きゅうり・メロン・みかんなどの野菜や果物、漬物・キムチなどの一部の発酵食品に、GABA成分が多く含まれています。
また、最近ではGABA成分を添加したコーヒーや醤油、飴やチョコレートなど多くの食品が販売されています。

1回28mgのGABA成分

1回28mg以上の摂取で、自律神経のバランスが整い、血圧が下がるなど、ストレスをため込まず心身ともに健やかな状態に。

【出典】「Construction of Free Amino Acids Composition Date Base for Food」

GABA成分は脳に届かないって本当?

食事由来のGABA成分は脳機能に影響を与え、不安低減や睡眠の質向上など有益な機能を有し、サプリメントや機能性食品として、現在広く利用されています。しかし、経口摂取したGABA成分が脳に移行しないことは古くから知られており、GABA成分がどのように脳に作用しているか、その作用機序は長らく不明でした。しかし、近年の研究では、経口摂取したGABA成分が、内臓感覚神経から脳に作用することや、脳下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌を促進するという報告があります。

成長ホルモン分泌促進のメカニズム

  • ① 経口摂取したGABA成分は脳下垂体を刺激し、成長ホルモン(GH)分泌促進
  • ② GHは肝臓でのインシュリン様成長因子1
    (IGF-1)の分泌促進
  • ③ IGF-1は血流に乗っての脳内に入る
  • ④ IGF-1は脳内で神経や血管の新生を促し、
    脳を活性化
  • ⑤ 上記の結果、認知機能が改善する