特集

Vol.03

上司・部下間のストレスや
仕事のプレッシャーに負けないように!

職場でリラックスしたい時の
GABA成分の上手な活用法

これまでとは違う働き方や職場コミュニケーションが求められている

さまざまなハラスメントに対する意識啓発や、残業削減・有給休暇取得促進などの働き方改革関連法施行、さらにはコロナ禍によるリモートワークの普及もあいまって、昭和・平成的な働き方は一変。ベテラン・若手問わず、従来とは異なる働き方や職場でのコミュニケーションの取り方が求められ、それもまた新たな職場のストレスの一因ともなっています。

これらのストレスは、放置しておくと組織力の低下に直結します。逆に言えば、答えを見つけにくい難題ではありながらも、ていねいに手当てすれば組織のパフォーマンスは上がります。

そこで、多くの企業で人事育成・研修などを行うFeelWorks代表の前川孝雄氏に、実際に職場で起こりがちな事例に基づいて、仕事のストレスを克服してチーム力を高め、ビジネスパフォーマンスを向上させる方法に解説していただきました。

株式会社FeelWorks
代表取締役/青山学院大学兼任講師

前川 孝雄(まえかわ たかお)

PROFILE
人を育て活かす「上司力」提唱者。大阪府立大学(現大阪公立大学)、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートの編集長を経て、2008年(株)FeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに研修事業と出版事業を営む。「上司力®研修」「ドラマで学ぶ社会人のビジネスマインド」などで大企業400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に㈱働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人企業研究会サポーター、一般社団法人ウーマンエンパワー協会理事なども兼職。最新刊『部下を活かすマネジメント"新作法"』(労務行政)ほか、著書多数。

若手は本当に「ゆるい」のか?
上司は本当に「ふるい」のか?

ケーススタディに入る前に、いまの上司や部下、組織人が置かれている社会的な環境を簡単におさらいしておきます。

まずは、若手は本当に「ゆるい」のでしょうか?
そして、上司は本当に「ふるい」のでしょうか?

転職サイトのスカウトサービスを利用する人は、12年前から約30倍に増えました。その点だけを見れば、今の若手は「会社に対する帰属意識に薄く、自分本位・自分都合な転職を望んでいる」ようにもみえるかもしれません。

転職サービスへの会員登録者数の推移
転職サービスに登録する新入社員は、12年前から約30倍に増加

しかし、その実、転職先に求めていることを見てみると、優秀人材であるほど、社会人全体に比べて「裁量権がある」「新しいことに挑戦できる」「成長できる」といった「前向きで挑戦的な意志」を持っていることがうかがえます。

優秀人材が転職先に求めること
優秀人材ほど、転職先に対して「裁量権がある」などの前向きな期待と意志を持っている

「若手がゆるい」のでなく
「会社がゆるい」。
不満型転職から不安型転職へ。

歴史を振り返ると、2015年には若者雇用促進法が施行され、採用活動にあたっては残業時間や有給休暇取得率、早期退職率などを公表することが義務づけられました。2019年には働き方改革関連法によって、大企業から労働時間の上限基準が設けられました。

これ自体は決して悪いことではないのですが、「職場や仕事は成長の機会」と考える意欲的な人材にはとっては、そんな会社は「手応えのない職場」で、「職場がゆるい」と感じているのです。

職場がきつくて辞める人も一定数はいますが、それよりも、将来の自分のキャリアプランを考えた時、この会社では成長できないかもしれないという不安から、転職を希望する層が生まれているのです。終身雇用を期待できず、将来不安を抱く現代の若者の危機感のあらわれとも言えるでしょう。

「ふるい」のではなく、指揮の「振るいようがない」。
八方ふさがりの上司

一方で、上司はどんな環境に晒されているのでしょうか?

安易に残業を強いることはできません。有給休暇も取らさねばなりません。「帰りにご飯でも食べながら話そうか?」と誘えばパワハラやセクハラ、厳しめな注意や指導はモラハラに問われるかもしれません。

さらには、コロナ禍でリモートワークが一般化しました。何とか業務連絡だけは取れても、会社や組織の目指すところや社会的な価値といった働くモチベーションを高めるコミュニケーションはなかなか取れません。

つまり「ふるい」のではなく、指揮の「振るいようがない」のです。

もちろん、会社からは一定以上の成果が求められます。かといって、それを一緒に成し遂げてもらえそうな意欲溢れる部下や仲間はなかなか見当たらない。八方ふさがりです。挙句の果てに、大変そうな姿を見ている部下からは「管理職になんかなりたくはない」と疎んじられる始末です。

国別・管理職になりたいと思っている人の割合
国別・管理職になりたいと思っている人の割合-アジアで最も昇進意欲の低い日本ー

いま、若手社員のモチベーションアップ以上に、この上司の置かれている環境を改善することが、組織の大きな課題となっています。

ここまでの環境整理をふまえ、以下、二つのケーススタディを見てみましょう。

Case Study①

なぜすれ違う?
上司と部下の間で起こりがちな
コミュニケーションストレス

「飲みニケーション」に頼らず、就業時間内で話し合う時間を習慣化する

誰しも一度や二度は感じたことがある、職場上司・部下間の典型的なストレスです。
最大の原因は、すれ違いによる互いの理解不足です。これを解決するには、相互理解のためのコミュニケーションの蓄積が必要です。単なる業務連絡ではなく、互いの人柄や趣味・関心事や家族事情を知り合うことや、この仕事を通じて叶えたいことやありたい姿など、互いの思い描く未来のあり方を語り、共通する点・異なる点を認め合うコミュニケーションです。

ひと昔前は、この時間は終業後に飲みに行く「飲みニケーション」が担保していました。しかし、今はそこに期待できません。近年、就労時間内の「1on1ミーティング(マンツーマン型対話)」を制度化する企業も増えてきましたが、これは有効な方法の一つです。

多くは上司から働きかけることが多いのですが、結局業務の話に終始することも多く、おざなりなものでは効果は期待できません。気になることがあった時、「気軽に話し合える時間を持つことを習慣化する」ことが大切です。

傾聴から始まる支援型マネジメント

その際、上司が最も気を使うべきは「傾聴力」です。ついつい自分の経験や考えばかりを押し付けて「説得」しがちですが、それはNG。まずはとことん聴いてください。

また、この「傾聴」は上司にだけ求められることではなく、部下にも求められる姿勢です。なぜこの上司はそう語るのか?言葉の向こうにあるその人の思いを汲み取る努力をしてみてください。

そのうえで、仕事をする動機づけや仲間と高め合う意識、それを客観的に評価する仕組みや業務フローをつくることが肝要です。

傾聴 6つのステップ
傾聴の6つのステップと、傾聴から支援・フィードバックへと進む支援型マネジメント
支援型マネジメント-傾聴・支援・フィードバック-
傾聴の6つのステップと、傾聴から支援・フィードバックへと進む支援型マネジメント

Case Study②

またしても今月も負け組か?
営業ノルマのプレッシャーに
耐えられない・・・・

「目標数字」の達成よりも、「組織や仕事の目的」に近づけているのか?

営業目標は「個人のノルマ」と考えがちですが、その人ひとりだけのものではありません。組織全体で担うべき目標をブレイクダウンし、一人ひとりに課していくのが目標数字です。

さらに言えば、目標は到達度を示す数字に過ぎず、目標の向こうには目的があります。本来、その数字に向こうには、顧客や社会の役に立ちたいという「組織の思い」があるはずです。

つまり、目標数字に到達したか否かよりも、「組織や仕事の目的」に近づけているのかどうか?それをきちんと検証・腹落ちできているかどうか?が大切です。

業績の良い会社、営業力の高い会社は
「心理的安全性」が高い

「心理的安全性」という言葉があります。「psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)」という心理学用語を日本語に翻訳した言葉で、誰もが安心して発言や行動ができる職場環境を指します。

多くの企業を見てきたなかで、私は、高い業績を収め続けている営業力の強い会社ほど、この心理的安全性が高いと感じています。もちろん数字に対する強いこだわりは持っていますが、それ以上に数字の向こうの「目的」について、各自が持つ「Will(私はこうしたい、こうなりたい)」を活発に述べ合っています。

押し売りのような営業はしたくない。会社の利益だけに目を向けた営業はいやだ。営業の現場を経験すれば、そんな理不尽や戸惑いを感じたこともあるはずです。

そんな時こそ、そもそもこの商品・サービスはどう役立つものなのか?誰にどんな幸せを提供できるのか? 商品やサービスの可能性や理想を言語化して共有し、それぞれが納得して前向きに営業に向かえる環境があるか否かが重要です。

必要以上に失敗を恐れずに、
「相談に乗ってください」と誘ってみる

もちろん、課せられた目標は、達成するに越したことはありません。ずっと未達成が続けば、次第に肩身も狭くなり、自信もプライドも揺らぎます。

若手の営業研修などで強く感じるのは、「みんな必要以上に失敗を恐れている、失敗したら次のチャンスはないと思っている」ことです。

そんな際には、こうアドバイスしています。

一度上司に、「ご飯でも食べながら相談に乗ってください」と声かけてみたら、と。

最初にお話ししましたが、部下以上に身動きが取れずに苦しんでいるのは、むしろ上司です。その呼びかけは、実は上司の方が嬉しく感じてくれるのではないかと思います。

営業プレッシャーに負けない5つの行動指針

収益は、「お役立ち」による「ありがとう」の積み重ね

「商品・サービス」⇔「購入・利用」の間にある、お互いの「ありがとう」こそ収益の源

上司に自己開示し、気持ちを伝え、相談に乗ってもらえる関係を築く

「報・連・相」の3大メリットー上司に自己開示し、気持ちを伝え、相談に乗ってもらえる関係を築くー

自ら仕事・役割を創り出し、周囲を巻き込み、結果を出す

自律型人材に求められるリーダーシップー自ら仕事・役割を創り出し、周囲を巻き込み、結果を出す

作業を仕事に変える3つのステップ

目的を質問する・工夫して提案する・相談し承認を得ることで、作業が仕事に変わる

この場で働くことを決めたのは、自分自身

※Case Study①②図版出典:『結果を出す人の「報・連・相」』(前川孝雄、日本能率協会マネジメントセンター、2013年3月) 、『今からはじめるリーダーシップ』(前川孝雄、産業能率大学、2017年12月)

GABA成分について研究する
研究者に聞きました
職場や仕事のストレスを
低減するための
GABA成分の
上手な摂取方法

職場にストレスはつきものです。どんなに仕組み化が進んだ風通しのいい組織であっても、訓練された人材が多い職場でも、組織である以上、摩擦やすれ違いがなくなることはありません。なくならないならば、「上手に付き合う」ことを考えるのも有効な対策です。
GABA成分について研究する研究者・山下裕輔氏に、GABA成分を上手に摂取しながら職場や仕事のストレスを低減する方法をお聞きしました。

株式会社ファーマフーズ 
機能性表示推進室室長

開発部次長 博士(農学)
山下 裕輔

PROFILE
香川県出身。広島大学生物生産学部 大学院生物圏科学研究科 卒業。大学院では鶏、卵および抗体の研究を行っており、卵由来の機能性素材の開発も手がける株式会社ファーマフーズに入社。入社後は研究開発や営業を経験し、現在は機能性表示推進室室長と開発部次長を兼務。

怒りを抑えてキレるを防ぐ。
アンガーマネジメントにも役立てたいGABA成分

怒りのままに怒鳴り暴れる。いわゆる「キレ」てしまった状態では、相手は「ドン引き」し、何も伝わらないどころか敬遠されるだけ。事態はむしろ悪化します。

そうならないように「カチンと来ても6秒我慢、そうすれば怒りは和らぐ」。その心理トレーニングが「アンガーマネジメント(怒りの管理方法)」です。

GABA成分はアンガーマネジメントにも有効な成分だと考えられます。もともとGABA成分は副交感神経の働きを促す伝達物質の一つで、副交感神経が交感神経より優位な状態(リラックスした状態)になれば、より穏やかな気持ちで過ごすことができます。

GABA成分は、摂取後約30分で体内量が最大値に達します。効き目は約2~3時間で、半日も経てば元に戻ります。たとえば、かなりハードな交渉や厳しい意見が飛び交いそうな「危険な香りのする会議」に出ねばならい時があるなら…。その30分ほど前にGABA成分を摂っておけば、我慢せねばならない時間は、「6秒」とはいわず「3秒」で済むかもしれない。会議中も安定した心理状態を保てる可能性が高くなります。

GABA成分は、日常的なイライラや
自信を失った時などの気分転換にも有効

営業目標や〆切などのプレッシャーは、仕事を辞めるでもしない限り、逃げ切れるものではありません。「必ず頭の片隅に張りついてるストレス」ですから、「逃げる」よりも「上手に付き合う」ことを考えた方が得策です。

最大のポイントは、「ストレスの山を低くする」こと。ストレスは気づかないうちに膨らみます。厄介なことに、まじめで几帳面な人ほど膨らんでいること気づきにくい。パンパンに膨れたストレスのガスを抜くのに一番いいのは、気持ちいいこと、楽しいこと、好きなことに時間を使うこと。リラックスできる方法をいくつも持っておくことが大切です。その時間を、1日、1週間のうちで意識的に取り入れるようにしてみましょう。

たとえば1日で考えれば、お昼ご飯を食べた後は軽くストレッチしてみる。3時の休憩にはあったかい飲み物や甘いモノを食べてホッコリする。一週間で考えれば、週末のどちらかは、仕事のことは完全に忘れて趣味を楽しんだり、家族と一緒に過ごしたり。平日に寝不足がちな人は、たっぷり寝るのも一つの手です。もっとほんわかした気分になりたいな、グッスリ眠りたいな。そうなりたいちょっと前にGABA成分を摂取しておけば、その効果はより大きくなります。

GABA成分は私たちが普段口にする食材、たとえばカカオ、トマト、発芽玄米、味噌や醤油などの発酵食品などにも入っている成分です。より多くのリラックスした時間を過ごして、勝手に膨らむストレスの山を低くする。その下地を整えてくれえるのがGABA成分です。あたかもお守りのように、普段の生活の中で上手に摂取することを考えてみてください。